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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
07.舞威媛の襲来
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「はい。真祖に認められて彼の“血”を分け与えられた者たちです。必ずしも真祖の実の娘や息子というわけではないんですけど」
「──弟子とか後継者ってとこか」
真祖から直接“血”を与えられた者たちは、普通の吸血鬼とは能力は比べものにならないはずだ。
「ヴァトラーは、そういう意味で第一真祖と直接つながってるわけじゃないんだな」
「そうですね。純血の貴族とはいっても、所詮は“長老”たちの遠い子孫ですから」
雪菜は表情を曇らせる。
「ですから、もしアルデアル公が、“長老”たちを本当に捕食したのだとしたら、彼はなにか特殊な能力を持っているのかもしれません。なにか血の濃さを覆すような特殊な能力を──」
吸血鬼にとって”血”とは魔力の源だ。長く生きた吸血鬼は、多くの血を吸うことによって、強力な魔力を蓄える。それが“長老”ならより強力な力を持つ。
だが、若い世代の吸血鬼が、力を手に入れることは出来ないわけではない。
それが、他の吸血鬼の血を奪う──“同族喰らい”だ。しかし普通は、自分よりも強力な吸血鬼の力を喰うことはできない。
それが出来たとしても、下手をすれば肉体と意識を乗っ取られかねないからだ。
だからこそ、ヴァトラーの“長老”を倒したというのはあり得ないのだ。
「そういや、あいつはやたら“血”にこだわってたな」
「血統にこだわるのは、アルデアル公に限らず吸血鬼全体の種族的な傾向ですけど、たしかにあの方の先輩に対する執着はちょっと異常でしたね」
「俺への執着じゃねえよ。あいつがこだわってんのは、第四真祖の“血”だろ」
「確かにあの蛇遣いは、古城に異常な執着心をもってたな」
「そういうお前もヴァトラーの野郎に狙われてるじゃねえかよ」
挑発するように言った彩斗に古城が言い返す。
そ、それは、と彩斗は言葉を少し詰まらせる。
「でしたら、やはり南宮先生の助言は当たっていたのかもしれませんね。あの方に捕食されないように注意しろ、というあの言葉は──」
古城と彩斗が教室に着いたのは、授業前の予鈴が鳴り終わった直後だった。
「──浅葱」
「ああ、古城、彩斗。おはよ」
足早に浅葱のもとへ行く古城についていく彩斗。浅葱はのんびりと手を振ってくる。
「ちゃんと学校に来たのね。偉い偉い。わざわざ起こしてあげた甲斐があったわ」
「起こしてあげた? なんだそりゃ?」
浅葱の言葉に宿題を教わっていた矢瀬と近くにいた築島倫が反応する。
「それは聞き捨てならないわね」
「聞き捨てといてくれ。本当に叩き起こされたんだ」
「それが俺の安眠を邪魔しやがったのか」
古城は適当にあしらいながら、浅葱の耳元で何か
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