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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
07.舞威媛の襲来
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」
慌てふためく古城を蔑むように言う。
「奪われたのは遺跡からの出土品だと言っただろう。とっくに干からびたガラクタだぞ。仮にまだ動いたとしても、それをどうやって制御する気だ?」
「……制御する方法に心当たりがあったから、黒死皇派は、その古代兵器に目をつけたのではありませんか?」
雪菜が冷静に指摘した。
「ふん、さすがにいいカンをしているな、転校生。たしかにナラクヴェーラを制御するための呪文だか術式だかを刻んだ石板が、最近になって発見されたらしい」
「だったらやっぱりその兵器が使われる可能性があるってことなんじゃねーかよ」
「世界中の言語学者や魔術機関が寄ってたかって研究しても、解読の糸口すらつかめていない難解なブツだぞ。テロリストごときが、ない知恵を絞ったところでどうにもならんよ」
「つまりは、解読不可能なただの邪魔なもんを持ってるだけってことか」
那月は小さく頷く。
「石板の解読をしていた研究員を捕まえた。奴らが見つかるのも時間の問題だ。
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
は今日明日にもガルドシュを狩り出すつもりだそうだ」
「狩り出す……って、もしかして那月ちゃんも助っ人に行くのか?」
古城が顔をしかめて言った。
「私を那月ちゃんと呼ぶな! とにかく、あの蛇遣いがなにかを言ったところで、おまえたちの出る幕はない。強いて言えば追い詰められた獣人どもの自爆テロに気をつけることくらいだな」
「自爆テロ……!」
思いがけない言葉に顔色を変える。
「それからもうひとつ忠告しといてやる。暁古城。それに緒河彩斗、ディミトリエ・ヴァトラーには気をつけろ」
運ばれてきた紅茶をすすりながら、那月がぼそりと呟いた。
「やつは自分よりも格上の“長老”──真祖に次ぐ第二世代の吸血鬼を、これまでに二人も喰っている」
「──同族の吸血鬼を……喰った?あいつが!?」
「マジかよ!?」
さすがに彩斗と古城、雪菜は驚愕の色を隠せない。
「やつが、“真祖にもっとも近い存在”といわれる所以だよ。せいぜいおまえたちも喰われないようにするんだな」
「南宮先生の話、本当でしょうか」
那月の部屋から出た古城たちは、少し重い足取りで教室に向かう。
急に雪菜が立ち止まり聞く。
「人格的に少し問題はあるけど、基本的に嘘はつかない人なんだよな」
古城と彩斗は少し痛みが残る頭を押さえる。
「まぁ、那月ちゃんの言葉なら信用していいんじゃねぇか」
いつものように適当に答える彩斗に雪菜は、ため息を漏らす。
「“
長老
(
ワイズマン
)
”ってのは、第二世代の吸血鬼だって言ってたな」
自信なさげに古城が言う。
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