本編 第一部
三章 「戦火の暗殺者」
第二十二話「追撃」
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、いや、三十か四十はいる!気配を察知するのは戦闘の基本と教えられていた魔術師は、自分が脱出不可能な状態に知らずのうちに陥ってるのに気づいた。
魔術師は、もはや、逃走をあきらめた。
「ん?どうした、いやに元気がなくなったじゃないか?もしかして風邪でもひいてるんじゃないか?」
「ない・・・・・・」
「ん?なんだ?」
「おまえらの、手には落ちない!」
魔術師は、スーツ姿の巨漢の手から逃れて、片手に火をつけた。
「おいおい、街中でキャンプファイアーなんて親に絶対やっちゃだめって教わらなかったのか?」
「あくまですっとぼけるつもりだろうがな、あいにくおれは冗談が嫌いなんだ。てめえのブラックなユーモアには付き合ってられねえ!ここで、終わりにしてやるぜ」
魔術師はそのローブを脱ぎすてると全身に液体の爆薬のようなものをくくりつけているのが見えた。
「おいおい、映画の見すぎじゃないか?ジョークにしちゃ笑えんな」
「はは、おまえがどこの組織のものかしらないが、俺の結社では、敵に捕縛されるのがなによりも罪になるんだ。おれの体がそれだけでどんな呪術体系を組んでるか分かっちまうからな」
「悪いな、火遊びの知識はあまりないんでその手のジョークには付き合えん。悪ふざけはやめてくれ」
「そっちがそうでもな。おれが我慢ならねえのよ、ここまでの道中、おれはなにもわかってねえガキ連中に、なめられっぱなしでな。いいかげん、頭に来てんだ!」
周りが騒がしくなる。みんなが男の爆薬に恐怖感を持ち始めてる。
だが、その炎は、消える。綺麗に家の二階のベランダの手すりから軽く一回転して空中高々と舞い上がってそのまま、彼の顎へ掌底を当てて気絶させて、地面に倒立のまま、着地する高校生の姿があった。
「ふう、あんたたちが、こいつを追い詰めてて助かった。礼を言わせてくれ」
「賢治様でございますね?天光様より話はきいております」スーツ姿、巨漢はサングラスをとり、深深と頭を下げた。
「天光?ああ、高町のやつか」
「賢治―!さっさとそいつを安全なところへっ、早くしろーっ!わたしを襲った三人の追っ手はそいつを殺す気だ!」
チューン!ものすごい離れたところからの狙撃。しかし弾は的を外した。伊佐が、投げた石、奴らのスナイパーの鏡を割ったからだ。
「わたしにおまかせを!賢治さまはどこか安全な場所へ」
巨漢の男が魔術師を背負ってビルの中へ。
「やめろ、そいつは爆薬を抱えてるんだぞ?」
刹那の出来事だった。炎を宿した特殊な魔弾がスナイパーライフルから放たれた。賢治は即座にその射線を読んで、籠手で防御するが魔弾はそれをすりぬけて、魔術師のところへ、だれもがその0.0001秒に絶望したときだった。魔術師と弾の間に、巨大なトラックがものすごいスピードで投げ飛ばされてきた魔弾はトラ
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