第九十話 家族の絆その八
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「それでもです、今は」
「ロシアかの人が来る様になってなのね」
「その飲み方、本来の飲み方も見ましたので」
だからだというのだ。
「どちらでも」
「そうなのね」
「特にモスクワからの大柄な方が」
こう聞いてだ、二人はすぐに察したが今は聞くだけだった。
「その飲み方がお好きなんです」
「そうなのね」
「その人がですね」
二人は何気ない風を装ってウェイトレスに応えた。
「そうして飲んでいるのね」
「ロシア本来の飲み方で」
「そうなんです、それが一番美味しいと仰って」
それでだというのだ。
「飲んでいます」
「そう、では私達はね」
「そうですね」
智子と豊香は二人で顔を見合わせて決めた、そしてだった。
二人はウェイトレスにだ、こう言った。
「ではロシアンティーを頼むわ」
「ケーキもお願いします」
「わかりました、ではケーキは」
「そうね、苺のケーキを」
「私はチーズケーキをお願いします」
二人はどちらも西欧のケーキを注文した。
「それをお願いするわ」
「そういうことで」
「わかりました、ロシアのケーキもありますが」
ウェイトレスは笑顔で二人にこちらのケーキもあると話した。
「そちらのケーキですね」
「はい、ロシアのケーキもいいですが」
豊香は微笑んで智子に答える。
「今はそちらをお願いします」
「わかりました、じゃあ」
「今から」
こう話してだ、そしてだった。
二人はロシアンティーと西欧のケーキを頼んだ、それで紅茶はロシアの飲み方で飲みながら話をはじめた。
だが今言うことは少なかった、智子は確かな笑顔で豊香に言う。
「後は見ているだけだから」
「私達がすることはですね」
「若しも。既にチェックはしているけれど」
こう言ってからの言葉だった。
「梟が働かないならね」
「その時にですね」
「修正するだけよ」
それだけだというのだ。
「万が一にね」
「別の動く梟を仕込みなおすだけですね」
「そう、それだけよ」
こう笑顔で話す智子だった。
「今の私達はね」
「だから見ているだけなのですね」
「そう、それだけよ」
「そしてその可能性もですね」
「殆どないわ」
自信に満ちた返答だった、既に万全の手筈を整えたという。
「零に近いわ」
「ではですね」
「ええ、このままね」
見ているだけでいいというのだ。
「見ていましょう」
「ことの成り行きを」
「ただ。彼が戦いを降りる時は」
「これまでの剣士達と同じ様に」
「仕掛けて来られるわ、姉様が」
セレネーがだとだ、智子はその目を輝かせて豊香に述べた。紅茶には手をつけているがケーキの方はまだである。
「その時も見ましょう」
「あの人が無事に戦いから降りられるか」
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