暁 〜小説投稿サイト〜
久遠の神話
第九十話 家族の絆その八
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それでもです、今は」
「ロシアかの人が来る様になってなのね」
「その飲み方、本来の飲み方も見ましたので」
 だからだというのだ。
「どちらでも」
「そうなのね」
「特にモスクワからの大柄な方が」 
 こう聞いてだ、二人はすぐに察したが今は聞くだけだった。
「その飲み方がお好きなんです」
「そうなのね」
「その人がですね」
 二人は何気ない風を装ってウェイトレスに応えた。
「そうして飲んでいるのね」
「ロシア本来の飲み方で」
「そうなんです、それが一番美味しいと仰って」
 それでだというのだ。
「飲んでいます」
「そう、では私達はね」
「そうですね」
 智子と豊香は二人で顔を見合わせて決めた、そしてだった。
 二人はウェイトレスにだ、こう言った。
「ではロシアンティーを頼むわ」
「ケーキもお願いします」
「わかりました、ではケーキは」
「そうね、苺のケーキを」
「私はチーズケーキをお願いします」
 二人はどちらも西欧のケーキを注文した。
「それをお願いするわ」
「そういうことで」
「わかりました、ロシアのケーキもありますが」
 ウェイトレスは笑顔で二人にこちらのケーキもあると話した。
「そちらのケーキですね」
「はい、ロシアのケーキもいいですが」
 豊香は微笑んで智子に答える。
「今はそちらをお願いします」
「わかりました、じゃあ」
「今から」 
 こう話してだ、そしてだった。
 二人はロシアンティーと西欧のケーキを頼んだ、それで紅茶はロシアの飲み方で飲みながら話をはじめた。
 だが今言うことは少なかった、智子は確かな笑顔で豊香に言う。
「後は見ているだけだから」
「私達がすることはですね」
「若しも。既にチェックはしているけれど」
 こう言ってからの言葉だった。
「梟が働かないならね」
「その時にですね」
「修正するだけよ」
 それだけだというのだ。
「万が一にね」
「別の動く梟を仕込みなおすだけですね」
「そう、それだけよ」
 こう笑顔で話す智子だった。
「今の私達はね」
「だから見ているだけなのですね」
「そう、それだけよ」
「そしてその可能性もですね」
「殆どないわ」
 自信に満ちた返答だった、既に万全の手筈を整えたという。
「零に近いわ」
「ではですね」
「ええ、このままね」
 見ているだけでいいというのだ。
「見ていましょう」
「ことの成り行きを」
「ただ。彼が戦いを降りる時は」
「これまでの剣士達と同じ様に」
「仕掛けて来られるわ、姉様が」
 セレネーがだとだ、智子はその目を輝かせて豊香に述べた。紅茶には手をつけているがケーキの方はまだである。
「その時も見ましょう」
「あの人が無事に戦いから降りられるか」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ