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ヘタリア大帝国
TURN131 二度破られるものその九
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「帝から拝領したこの正宗の切れ味を見せよう」
「正宗ですか」
「正真正銘のな」
 名前だけを付けたものではないというのだ。
「それを今抜こう」
「そうか、頼むな」
「陸軍の仕事は接舷時の白兵戦も入っている」
 そうした意味でも陸軍は他国では陸戦隊にあたる、日本帝国軍は陸軍と独自軍にしているのは特殊な例ではあるが。
「なら任せるのだ」
「セーラ女王が来てもだな」
「セーラ=ブリテン女王は剣術も相当な方だと聞いている」
 それなら、というのだ。
「是非手合わせ願いたい」
「俺が行こうと思ったがな」
「貴様も剣術は出来るな」
「一応有段者だ」
 東郷も軍人だ、身体は鍛えているというのだ。
「しかしまだ目録でな」
「免許皆伝ではないか」
「段にして七段だ」
 実力としてかなりのものと言っていい、だが免許皆伝段にして十段である山下と比べると。
「剣道でな」
「そうか、ではだ」
「下がっていろ、か」
「セーラ女王の相手は控えろ」 
 山下は冷静に東郷に告げた。
「あの方の剣術は日本の剣道で言うと免許皆伝の域らしいからな」
「目録、七段ではか」
「相手にならない、しかも私は居合も身に着けている」
 こちらも免許皆伝、そして十段だというのだ。
「女王にも対することが出来る」
「わかった、では接舷戦の際は利古里ちゃんに任せよう」
「陸軍の武を見せてやる」
 きっとした目でだ、山下は言った。
「大和は私が守る」
「それではな」
 こうしてだった、大和は陸軍を中心に接舷された際の迎撃用意が為された。そしセーラは実際にクイーン=エリザベスの将兵達及びエイリス軍全軍に命じた。
「体当たり、そしてです」
「接舷攻撃ですか」
「それに移ります」
 ロレンスにも言う。
「わかりましたね」
「はい、それでは私も」
「全員抜刀、帯剣の用意を」
 まさにだ、斬り込み戦のだというのだ。
「わかりましたね」
「はい、それでは」
「今から」
「斬り込みます、では」
 セーラは既に剣を抜いている、自ら斬り込むことはもう決めていた。
 大和とクイーン=エリザエスが激突した、双方に凄まじい衝撃が走る。
 しかしセーラはその衝撃の中毅然として立ちだ、全将兵に命じた。
「斬り込みます!」
「では!」
「今から!」
 将兵達も応える、守りの者達だけを置いてだった。
 セーラは先頭に立ち大和に斬り込む、その金髪の豊かな髪をなびかせて。  
 そのセーラを見てだ、さしもの日本軍の将兵達も唖然となった。
「本当に来たのか!」
「セーラ女王が自ら!」
「何と、女王自ら」
「来るとは」
「何という勇気」
「そして覇気か」
 セーラにあるものを見てだ、彼等は驚くのだった。
「エイリス女王、敵ながら
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