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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
5:容疑者
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う許せねぇ! 責任取れンだろうな、このガキィッ!!」

 それと同時に、デイドは今にもはち切れんばかりの怒りを露わに、恐ろしく長大な槍を素早く背から引き抜き、シリカとピナに矛先を向けた。
 それを確認した瞬間――デイド以外の、場の空気をも一気にヒートアップするのを肌で感じた。
 瞬時に俺を含む全員が武器に手を伸ばし……ある者は牽制の為、ある者はピナに続いて憤激の一撃を加える為にデイドに向かって刃を向けようとしていた次の瞬間……

「――ぐぉあっ!?」

 誰よりもいち早く武器を抜き、デイドを地面に叩き伏せた人物が居た。
 そいつは倒れたデイドの胸板を片足で踏み付けながら、片手でシートに包まれた長大な謎の武器を首元に突きつけている。

「な、何だ!?」

「……………」

 それは、粗末なチュニックにフードを被った、全身ボロ布の小柄な第三の容疑者だった。
 その謎の人物は、デイドをただ無言で見下ろしている。
 デイドは地に倒れ圧倒的に不利な体勢で居ながらも、その粗悪で痛ましい装いを今始めてみたように、蔑む様に鼻を鳴らし失笑する。

「なんだよテメー……そのボロっちぃナリはよォ。ハッ、そんなんでオレに適うとでも――ぉぐっ!?」

「……………」

 闖入者は無言で、デイドの首をボロボロのシートで包んだままの武器で軽く突いた。ダメージこそ皆無だが、紫色の雷のような被撃エフェクトが走り、挑発の言葉を途切らせる。

「テ、テメェ……!!」

「よせ、それ以上はダメだ」

 俺は抜いた剣をデイドに……ではなく、もう一方の闖入者の首元へと向けた。
 フードを被ったままのせいとは思いたくはないが……今は激怒するレイドよりも、得体の知れぬコイツの方が危ないと俺の第六感が告げていた。
 他の者は意外な人物の突然の割り込みに動きをフリーズさせ、緊迫した空気だけが漂う。

「……………」

 闖入者はゆっくりと僅かに首を捻り、俺の顔を見て――その顔はフードで殆ど見えなかったが――すぐにデイドに視線を戻し、再び首元に武器を(あて)がおうとした。その前に俺は、ヤツの首元に刃を更に肉薄させ制止させる。

「やめろっ……でないと次は俺が、お前をそいつから引き剥がす為に薙ぎ払わなきゃならない……」

「……………」

「お? なんだ来いよオラ! オレにこんな真似をしたのをすぐに後悔させてやるぜ?」

 続くデイドの挑発に、ギリリ……と、小柄な体同様に小さな手の武器を握る力が強くなった。再び、今度は貫かんとばかりに彼の喉を突き刺そうと武器を引き絞った手首を、俺は空いた片手で掴み止め、代わりに剣の切先をデイドの眉間に向けた。

「デイド! あんたは黙っていろ! ………頼む、武器を収めてくれ。そんなことを
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