5:容疑者
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少し言葉を慎みたまえよ。その方がよりプリティだと思うのだがね」
「むか!!」
「……あれ、二人は知り合いなの?」
見知らぬ男達を前にして、黙って身を硬くしていたアスナがようやく前に出て来てリズに並んだ。まだ怯えるシリカは二人の間に移動して更に隠れてしまう。
「こんな装飾バカ知らないわよ! ……二人とも気をつけなさい、この自己陶酔野郎は、片っ端から女の子に声かけまくる、サイテーな女たらしよ」
「本当に酷い言われようだねー……ハーラインさんでしたっけ、傷付くよ?」
それにハーラインといった自己陶酔野郎なる男は、手を広げて寛容に笑い飛ばした。
「ハッハッハ、アスナ君は優しいな。別に、彼女からの罵声はもう言われ慣れてるからね。彼女とは職業上、相互関係がある故に、私がデートに誘った回数と断られた回数がダントツでナンバーワンなのだよ。まぁ、断られるのも仕方が無いと言えば仕方が無いかもなのだがね」
「すっごい不名誉よ! もう二度と声掛けないでよね!」
「……と、この通りSAOの女性方は皆、身持ちがとても固くてね。私にすら靡かぬ子ばかりだよ。故に、さらに惹かれるんだがね」
「そうですか……ア、アハハ……」
「そ、それに……否定はしないんですね……」
シリカの言葉に長身の男はずいっと腰を前に勢いよく曲げ、がばっと小柄なシリカに顔を近づけた。
「いかにもその通りッ! 淑女たるもの、こうでなくてはならないと君も思わないかね、シリカ君!?」
「ひぃぃっ!」
おお……すごい。この人、あの三人をたったあれだけの短い会話の中で、同時にドン引きさせている。逆に感心してしまった。
俺がさり気なく小さく感嘆の吐息をついていると、
「――おい……おいおいおい。なにチンタラしてんだよ。オレ達ァ、ユニコーンの話を聞く為にわざわざツラ貸してやったんだぜ? やる事とっととしてくれよ」
と少ししゃがれた声で、待ちくたびれた風に苛立たしそうに割って入った者が居た。
容疑者の一人の、赤黒のフードを被った中背の男だった。
確かに、その言葉には俺もいい加減賛成だったので、代わりに進み出るとする。
「ああ、悪かったな。少し話が逸れてしまったのは俺が謝ろう。えーと……?」
ここでさり気なく名前を聞く。別に相手が名を明かさない事は無いかもしれないが、フードを被った相手を見ると、何となく相手が拒否している先入観を抱えてしまうのは俺だけではないだろう。
だが、俺の心配は杞憂に終わってくれた。
「デイド。見ての通り、その野郎と同じ槍使いだ。そしてテメーに死神の容疑を掛けられてる、不運で不幸なソロプレイヤーだ」
ぶっきらぼうで簡潔な自己紹介の後、フードを乱
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