第33話。変人の使命、姫の夢。
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でか?デートと言えばこれだろ?つまり偏見である。
「そう言えば、俺。この世界では映画館始めてやな。」
「そうなの?」
「おう。俺、DVD派やからの」
「ふーん。じゃ私と一緒ね?」
チケットを受け取ると嬉しそうにクルクル回りながら歩くアル。
「映画館自体は始めてやないから俺の勝ちや。」
「むー!ずるい!!」
ぽかぽかと叩かれながら始まるのを待つ。もちろんポップコーンとコーラの準備は完璧だ。
せっかくアルと来たからと言ってラブロマンスに挑戦してみたが、主演俳優が微妙過ぎる。
少し萎えた気分で出てきたが、アルは面白かったようだ。
「面白かったよね。暗くなってさ。あっ!もちろん内容も良かったよ?」
「内容はまあまあやけど、残念ながら俳優が微妙や」
「そうなの?」
「デンゼル・ワシントン、ジュード・ロウ、エドワード・ノートン等と比べたら月とすっぽんや。演技力がダンチよ。今度アルん家で見せてやるさかい」
「ホント!?」
アルは嬉しそうにクルクル回る。どうやら嬉しいと回るのが癖みたいだ。可愛い奴め
「どうしたの?」
「なんでもないさ、姫さん」
「むー。晋吾にそう呼ばれるのなんだかやだ」
「むっ、そうかい。すまんな、アルクェイド」
「・・・・晋吾って、私が名前、ちゃんと呼ばれて喜んでるの分かって言ってるでしょ?」
「さてのぉ?」
そう言って晋吾は、目を瞑り、頭をかくのであった。
電車を乗り継ぎ、次にやってきたのは遊園地。てかネズミの国。なんでか?デートと言えばこれだろ?つまり偏見である。
金?舞弥姉ちゃんにデートしに行くって行ったら軍資金くれた。
ジェットコースター、海賊船、メリーゴーランドと、アルが乗りたいを言ったもの、行きたいと言ったもの、やりたいと言ったものを次々とこなしていくのだが
「・・・・」
「どうしたの?」
「大丈夫だ。問題ない。」
「・・・・大丈夫そうには見えないけど」
「大丈夫だ。問題ない。」
現在並んでいるのはコーヒーカップ。そう、ぐるぐる回るアレである。
昔、息子が大好きでで8回連続で回転地獄に晒された悪夢が蘇る。若干及び腰。
分かってやっているのか、我が息子は回転速度をころころ変えながら回していた。
実は動きと速度が密接な関係にあるコーヒーカップと言う乗り物は、一定の速度で回すより強弱をつけると、不規則な軌道を描くので余計に気持ち悪くなる
いや、今なら、この体ならどんな回転でも大丈夫だ。己の三半規管を信じろ。己の三半規管を信じろ。
「大丈夫だ。問題ない。」
もう一度自分に言い聞かせる。不安げな心配そうな
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