君は自由だ
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所を知っていた。
「これは危険な魔法だ。誰の手にも渡してはいけない」
光の中、ニルヴァーナと思われる何かが見える。
ジェラールは、躊躇う事なく続けた。
「だから完全に破壊する為に封印を解いた」
その言葉に、コブラの目が見開かれる。
「な・・・!」
「ニルヴァーナを破壊する・・・だと?」
コブラだけでなくキュベリオスも驚愕し、エルザは意外そうな表情で呟く。
「『自律崩壊魔法陣』を既に組み込んだ。ニルヴァーナは間もなく自ら消滅するだろう」
出現しつつあるニルヴァーナ。
そのニルヴァーナに細かいヒビを入れていくかのように、紫に似た色合いの魔法陣が展開していく。
「テメェ!何て事を!くそぉーーーっ!」
「その解除コードはオレしか知らない」
「ジェラール」
コブラは魔法陣を解除しようと駆け出す。
ジェラールの行動に戸惑うエルザに、ジェラールは薄い笑みを浮かべた。
「何だよ、この高度な魔法陣は・・・このままじゃニルヴァーナが崩壊する!ジェラール!解除コードを吐きやがれっ!」
魔法陣は広がる。
解除コードは解らず、コブラは慌ててジェラールに解除コードを吐くように叫んだ。
『!』
次の瞬間、エルザとコブラは目を見開いた。
―――――――ジェラールの口から、コプッと血が吐き出されたから。
「エルザ・・・その名前からは優しさを感じる」
ゴホ、ゴフッと咳き込みながら、ジェラールは続ける。
「やさしくて明るくて、あたたかさを感じる・・・きっと君はオレを憎み続ける。それは仕方ない。当然の事だ。しかし憎しみは心の自由を奪い、君自身を蝕む」
「お・・・お前・・・」
苦しそうにジェラールは息をする。
その胸辺りに・・・魔法陣が現れた。
「オレはそこまで行けない・・・君の前には行け・・・ない・・・」
「コイツ・・・!」
そこで気づいた。
くら、とジェラールが後ろへと倒れ込む。
「ジェラールから解放・・・され・・・るんだ。君の憎しみも悲しみ・・・も・・・オレが・・・つれていく」
ジェラールの体には、魔法陣があった。
―――――ニルヴァーナにあるものと同じ、自律崩壊魔法陣が。
「自らの体にも自律崩壊魔法陣を・・・!」
エルザの目が見開かれる。
コブラが叫んだと同時に――――――
「君は、自由だ・・・」
ジェラールは、倒れた。
その顔には薄い笑みが浮かんでいる。
「ジェラーーーール!」
エルザは名を叫び、ジェラールへと駆け寄った。
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