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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第298話】
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苦手だ。

 美冬にも知られてない弱点の一つで、それを知った楯無さんは。


「うふふ♪ ……苦手、なんだぁ……?」


 そう言って軽く左耳に吐息を吹き掛けるその行為に、ぞくぞくっと何かがこみ上げる感覚が襲う。


「……ッ。 お、怒りますよ……これ以上からかうのなら……ッ!」


 流石に理性が崩壊すると思い、少し冷たい口調と怒気を込めていい放つ――と。


「……ご、ごめんなさい……。 お姉さん、少し調子に乗りすぎちゃったわね……」


 流石にやり過ぎたと思ったのか、俺がキツく言い過ぎたのか……明らかにテンションが低くなる楯無さん。

 内心、罪悪感に満たされ、頭をかきながら――。


「……背中、洗ったら出てくださいよ? もうからかったりしなければ怒りませんし……てか、思春期の男子、からかうといつか襲われますよ?」

「……ごめんね、ヒルト君。 ……ちょっとだけヤキモチ妬いちゃったから」

「……はい?」

「――何てね、冗談よ冗談♪ 何だか弟が皆に取られたような……そんなお姉さん的立場からよ♪」


 後ろからそんな声が聞こえ、何となくこれからもからかわれ続けるのかなとふと頭を過る。

 ……からかうだけならいいけど、こういう性的にキツいのは……。

 等と思っていると、ボディーソープをつけたスポンジで俺の背中を擦る楯無さん。

 力加減が絶妙で、心地好さからか少し眠気がやってくる――。


「うふふ、ヒルト君って背筋スゴいね? 胸板もそうだし、腹筋も割れてるし……このこのっ、誰に見せる為に鍛えてるのか白状なさい♪」

「べ、別に見せるつもりでやってる訳じゃないですよ。 ……まあ、IS扱う様になってから更に運動量は増やしましたからね。 何がどこでISに役に立つかわからないですし」

「そうねぇ〜。 ヒルト君って、周辺視野とか瞬間視も高いでしょ? この辺りは学園で調べたりしないけど、キミの反応の速さを見ればわかるもん、お姉さんは♪」


 何時ものように楽しそうな声で告げる楯無さん。

 見ただけでわかるって、やっぱり天才と呼ばれる分類なのだろう、彼女も。


「ふふっ。 お姉さんは特別天才って訳じゃないわよ? 努力家だもん、才能無いし」


 まるで心を読まれたかの言葉に、少しギョッとするも――。


「……どんな時でも練習や訓練は裏切らないさ。 ……まあ、訓練し過ぎると身体の何処かを故障する可能性もありますから適度に休むのが一番――一夏と篠ノ之は逆に、やらなきゃまずいが」

「うふふ。 ヒルト君も彼や箒ちゃんには手厳しいわね」

「……甘やかすのは周りの環境ですからね、ランクの低い俺が言えばなにくそーって気持ちにもな
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