第八話 戦争の序章
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水溜まりのようになっている。
人が・・・折り重なるように倒れていた。
「ま、まさか・・・っ!」
心臓がおかしいほどに鼓動する。
ドッドッド、ドッドッド・・・
「隊長たちは・・・もう」
ヤシマの声は抑揚がなく、ロボットのように聞こえる。
「そ、そんな・・・・」
信じられない。
隊長が、皆が、死んだ・・・バカな。
敵は5人だった。
助けに来た時、生きていた味方は3人。援軍として俺たちが来て、隊長とミヤマは生きていた味方と合流。俺とヤシマ、カイが敵に攻撃。この時点で味方は8人いたのに。
今では、俺たち2人だ。
敵を見た。
な、なんだあいつ?
一人は普通の岩隠れの忍だと思う。
もう一人の格好は確かに岩隠れだが、瞳の色が白い。
そう、瞳が白く、それ以外が黒い。普通の目と逆だ。
先程までは普通だったと思うけど・・・
敵の口元が動く。
「・・・の術。」
!?
なんだ?
なんだ、辺りが急に真っ暗になった!?
ま、周りが見えない!
なんだ、これ!?
くそ、全く見えない!
「トバリ、どうした!?」
ヤシマの声が聞こえる。
声しかわからない。見えないんだ、何も。
ヤシマは見えているのか?
どういうことだ?
あ、あいつだ・・・あいつの目を見てから・・か?
「トバリ!トバリ!どうした!?」
ヤシマの怒声。
「うわ!?なんだ、トバリ!?・・・あ、あ、や、やめろ!来るな!来るなぁぁぁ!!」
トバリの恐怖の色に帯びた声。
「ヤシマ!?どうした!何が起きてる!?」
・・・と叫びたかった。
でも、声が出ない。
「う、うわぁぁぁ!!」
グチョブ、グチャャ・・・バキバキ、ボキッ。
代わりに聞こえたのはヤシマのとても大きな、悲鳴。
それと何とも言い難い、何か色々と詰まったものが潰れる?壊れる?音だ。
「ヤシマ?ヤシマ!?」
声が出ないが、それでも叫んだ。
「ヤシマ!ヤシマ!ヤシマ!」
何度も、何度も。
どうしようもない不安がそうさせるのか。
何も見えない。
耳は・・・今、聞こえるのは、
ドッドッドッドッドッドッドッド・・・
今まで聞いたこともない速さで打つ心臓の音だ。
ドッドッドッドッドッドッドッドッド・・・・
何も見えない。
心臓の音が止まらない。
ーその時
急に静かになった・・・
“我々は岩戸より隠れ出る者であり、世を真に照らす者である。”
遠くから声が響いた。
と、同時に腹に鋭い痛みを感じた。
「あ、
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