八章 幕間劇
仕合×治療
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みやすくなるのですよ」
「あははは」
「麦穂!余計な怪我を増やすつもりか!」
「素直に手当てをさせてくれない壬月様が悪いんです」
麦穂は涼しい顔をして言い返すと、まだ起き上がれずにいる壬月に近付いて行く。
「さあ、一真様も手伝ってください」
「任せろ、と言っても風で押さえておくから暴れても無駄だよ。壬月」
壬月の身体を浮かして、動けなくするようにした。これには麦穂も驚いていたが、やりやすくなったので傷の手当てを始めようとした。
「ええい、覚えていろよ。というか本当に体が動かん!」
「壬月様。一真様は壬月様の事を思って手を貸してくれているのですから、後で乱暴な事はなさらないで下さいね。ではいきますよ」
「ま、待て麦穂。まだ心の準備が・・・・くぁっ、ぅぅうううううう!」
「一真様のお蔭で、固定できましたからね」
「何度も言っているだろう。こんなかすり傷、唾でもつけときゃその内治るってのに」
「その内じゃ困るんですよ。明日、いや今夜にだって戦があるかもしれません。壬月様は織田勢の要。それをご自覚下さいませ。壬月様にはどんな時も万全の身でいて頂かなければならないのです」
「麦穂・・・・」
「・・・・という訳で、一真様。しっかりと風で押さえておいて下さいね!」
「おうよ、というかだな壬月。唾をつけても治らんよ、逆に治りにくくなるだけだ。諦めよ」
「とか言いながら、腕の裾をめくるな!」
「ほら。ここにも切り傷がありますね。しかも沢山ですが、一応塗っておきましょう。さすが一真様の風の刃ですね」
「そ、そんなもん。傷の内に入らん」
「そんな事を言って。放っておいたら傷が化膿してどうするんですか」
「そうだ。せめて消毒液かけて包帯巻いたらどうなんだ」
「そ、そのくらい自分で出来る!」
「ダメです。自分で自分の腕にどうやって巻くのですか」
と言って、俺は空間から医療班がよく使うバックを取り出した。そして壬月の腕に消毒液を垂らしたら、叫んだけど。
「一真様のそれは水ですか?」
「いや消毒液だ。擦り傷とか出血しているところに付けると染みるが、よく効く液体だ。飲めないぞ」
「その箱には色々と入ってますが、薬箱ですか?」
「うーんと黒鮫隊がよく使う鞄だ。俺達のところは、色々あるが一応医療班を待機させている。あとこれは切り傷によく効く薬だから塗らないとな」
「げげっ!それは飛ばして包帯を巻くだけにしないか?」
「分からぬ事を。薬も塗らずに包帯を巻いても意味がないじゃないですか」
ここは任せろと言って我が隊がよく使う軟膏薬を、指に少し塗ってから壬月の腕に塗ろうとした。まあ暴れても無駄だけどな、それに先程の叫
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