暁 〜小説投稿サイト〜
戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
八章
間者と俺独自の報告
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
麗らかな日差しに包まれた部屋で、真剣な眼差しで書見台に向かっている久遠。エーリカは、庭で剣を抜いて、精神を集中している。技の鍛錬でもしているのだろう。俺はノーパソを出して、衛星から越前についての情報収集してた。本当は剣の手入れをする所だろうが、越前に放たれた草が帰ってくるか分からないからな。念のために衛星カメラで、越前情報をデータ化してトレミーで保存しているのを見ていた。

「そういえば、この剣も切れ味いいよな。まあ普通の剣ではないのだけど」

そういえば、結衣が見たというエーリカの技でも聞いてみるか。

「エーリカ、一つ聞いていいか?」

「はい。何でしょうか」

「結衣からの報告によると、鬼の大将みたいなもんを倒した時に技を出したそうだが、どんなもの何だ?」

「あれは技というより、天より降り注ぐ神の御力を、私という媒体を通して剣に流し込んでいるだけのものです」

神の御力という事は、デウスの力を貸し与えているという事かな?エーリカのは天守教だし、その神はデウスだ。

「久遠。エーリカのは神の御力らしいが、他の皆のはどうなの?」

「お家流の事か?」

「そうだ。そのお家流ってのは修業して得るものなのか?」

「ふむ。お家流にはいくつか種類がある。一子相伝のものもあれば、修業をすれば誰でも会得できるものもある。それに、その氏族しか使えない秘術というのもある。・・・・人それぞれだな。それにお家流は御留流だからそう簡単には教えられんだろう。だが、一真は既に何らかの力があるではないのか」

「まあな。ただお家流っていうのは何なのか聞きたかっただけさ」

「お姉ちゃん!お兄ちゃん!越前に放っていた間者が戻って来たよー!」

「来たか・・・・!うむ。眞琴と共に聞く。報せ、苦労」

「うん!じゃあ評定の間でまこっちゃんと待っているから、早く来てね!」

「やっと来たか。どういう状況か気になるな」

「うむ。越前がどうなっているのか。・・・・先に上洛ではあるが、気に掛かる」

俺はそうだなと言った後、トレミーからの情報をリンクしたままの状態でノーパソを閉じてから評定の間へと行った。評定の間に足を踏み入れると、広間の中は緊迫した空気に包まれていた。

「お待ちしていました」

「待たせた。・・・・話を聞こう」

「はい。待たせたな、報告をしてくれ」

「はっ!小谷を発した我らは、越前の国境を越え、各所に分散して情報を収集しました。数は五十。しかしながら戻ったのは、私を含めて三名のみ。その内の一人が、越前一乗谷まで侵入をし、重大な報せを持ち帰って参りました。越前一乗谷は既に鬼共により落城している由。周辺には鬼が満ち溢れ、さながら地獄と化しているとの事です!」

「事態はそこまで進ん
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ