七章 幕間劇
鬼×城下町×鬼
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すか?」
「任せる」
「え?ホントに市達に任せていいの?」
「あ、いや・・・・」
久遠は鮒寿司嫌いだからな、市に任せるとそれが出そうだ。市のからかいモードで、久遠も悔しそうにしている。久遠のこんな顔はあまり見れないからな。
「そうだ!お兄ちゃんはどう?」
「どうと聞かれてもな。まあ、鮒寿司以外だったら何でも良いが」
久遠が妹に遊ばれているのもいいけど助け舟は出さないとな。と言って助け舟を出した後、市は俺と眞琴の手を引いて市場に行った。
「ふむ、これはいけるな」
出店で売られていた、長い串に刺された鮎の塩焼きにかぶりついて久遠の漏らした第一声だった。
「でしょー。近江には海はないけど、淡海があるからねーっ!」
無論店を決めたのは市だが、こういう屋台の買い食いも平気なのは、姉妹揃って同じらしいな。そんな事を考えているが、俺が食ったモノも美味かったけどな。眞琴も市のスタイルに見慣れているように見えた。塩焼きを買う時だけ困った顔をしていたな、でも久遠が平気なのを見てからか言うのはやめたらしいな。
「やはり湖の魚が盛んだったりするのか?」
「もちろんです。近江にとって流通の要でもありますし、渡しの川舟も多くあります。まさに内なる海と言うに相応しい場所でしょう」
「だよねー。困るの何て、お塩が取れない事くらいだけど・・・・」
「塩か・・・・」
「・・・・とは言え、それも堺や若狭から取り寄せれば済む事ですから、実際はそう大した問題ではないのですが」
ふむそうなのか。美濃は塩が欲しいという考えだけど、他の地域では考え方が違うようだ。あと賊もいるようだが、眞琴や市が成敗してるから大丈夫だと。とか考えてたら眞琴と市は交互の鮎をあーんして食べさせ合っていた。
「なあ久遠」
「・・・・やらんぞ」
「何でだ?恋人同士なんだから別にいいだろうに」
「え?お姉ちゃん達やらないの?」
「べ、別に同じ鮎なのだから、同じ味だろう!」
「違うんだなぁ、お姉ちゃん。微妙な塩加減とか焼き加減とか、まこっちゃんのと市の鮎じゃ、全くの別物なんだよ」
とか言って言い争う二人。俺のは鱒だぞというと、顔を赤くしながら俺のと交換した。そしたらうまそうに食べたので、俺は久遠が持っている鮎を食べた。久遠があーんしてくれないからな、そんで鱒を返されたら今度は市が食べたいと言ってきたのであーんをした。その後、眞琴も食べたい様子だったからあーんをさせた。
「あーんなんて、市といつもやってるでしょ?」
「い、市と兄様じゃ全然違うよぉ・・・・」
「何をしておるのだ、うつけめ」
「んー、家族だから気にしないのかなと思ってな」
「そ、そうですよね。・・・・家
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