七章 幕間劇
美しい風景
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ってあったかな?
「お姉ちゃん、照れ屋だし甘えるの下手だから恥ずかしがっているけど、本当はお兄ちゃんの事好きだと思ってるよ」
「だよなー。じゃないと一緒に風呂や布団に一緒にというのは無理な話だし。それに甘えるのが下手なのは最初から見抜いてたからな」
「何が見抜いていたんだ?」
やっと来たか、久遠。支度は出来ているけど、俺の分はないと告げるとどうするんだ?と聞かれたが俺は大丈夫と言った。朝の携帯食であるカロリーメイトとかで、食べとけば大丈夫だし、昼はトレミーの厨房に頼んでる。のり弁をな。
「布団の件なのだが・・・・やはり二つ・・・・」
「だーめ。小谷城では、恋人であろうが夫婦であろうが一つの布団で寝るのが決まりです!それに今日だって一緒の布団で寝てたんでしょう?お兄ちゃんも嬉しかったって」
「ば・・・・ばばばっ!」
「あはは。真っ赤になってるー!」
「おのれ・・・・」
まあ小谷城は市にとっては、ホームで俺らはビジターだ。アウェー状態の久遠は不利な状況。それとそういう事を言うと弁当を変えるとか言ってたな。見たら鮒寿司だったけど、俺も嫌だな。久遠は眞琴と市が美濃に来たら布団を二組にするぞと言ってたが、市は眞琴の布団に入ればいいと言っていたからな。
「もういい。・・・・行くぞ、一真」
「ああ。じゃあ行ってくるよ。市」
「はーい!行ってらっしゃーい!」
小谷城を出発してから、そのまま北へ。まだ夜は明けてないとはいえ、月明かりもそれなりにはある。
が街灯もないこの時代にとっては、真っ暗に等しいのかもしれない。なので、ゼロの目は暗視ゴーグル並みだからこのような闇でも大丈夫。久遠のペースは速いがまあいい。何も聞かないでついて行った方が良さそうだ。そんな調子で馬を走らせると、やがて彼方から山の端に白い光が見えてきた。昇る朝日はキラキラと淡海の湖を弾いているが。衛星カメラの映像を見るとなるほどな、湖をぐるっと回っているのか。
「久遠、行き先はもしかして朝日を見る事か?」
「ああ、市から聞いた。では行くぞ一真。もう少しで岬の先端だ」
目的地が分かったので、更にペースを上げる久遠。こちらも合わせて久遠を追った。やがて辿り着いた岬の先端で。
「おお、綺麗だな」
「うむ・・・・」
昇る朝日と、彼方に見える今浜の平野。視線を少し南に振れば、広大な淡海の水平線も見える。彼方まで見渡せる岬からの淡海は、視界全てが青一色であった。まるで海のようだ。
「なるほど、これは絶景・・・・。市の目は相変わらず確かだな」
馬を繋いで、荷物の中から弁当を取り出した。
「小谷城も見えるか?」
「ああ。あの辺りが小谷のはずだ」
俺は双眼鏡を取り出してみたら、確か
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