七章
方針×風呂
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るからだろう」
「はいその通りです。この国のどこかで、罪無く力無き人々が、悪魔の犠牲になっているのかと思うと」
エーリカはそう思うかのように、月を睨みつける。
「気持ちは分かるが、その悲しみをエーリカ個人で背負う必要はないと思う。人間一人の力は無力に等しい。身近にある物を守るだけで精いっぱいなのかもしれないが、俺みたいな神仏の類が人々の祈りによって降臨したんだとね。その祈り一つずつがちゃんと神や仏は聞いてやっている。それに必要とあれば、俺はこの命を捧げてやるだろうしね」
「・・・・確かにそうですね。一真様みたいに神様だったら願いを叶えるためにやってくれると。それに人一人では強くなくとも数十から数千人が集まれば人は強くなる存在だと。人は得てして、自分自身の事はよく分からないもの。己だけが己の全てではなく、己は他者の心の中を反映し、己でも他者でもないところに形成されるもの。だから一真様の側に集まるのです。さてと、そろそろこの辺りにして宴へと参りましょうか」
俺はああと言って行こうとしたら、ひよが探して来てくれたようだ。何でも近江の名産だというが、鮒寿司はあまり苦手なんだよな。匂いが独特だから。
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