七章
京から小谷へ
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お会いするの、久し振りですから楽しみだなーって」
「そういえば市はひよの事を可愛がっていたな」
「はい!たくさん良くして頂きました。だからですねー、じゃーん!京でお土産を買ってきましたー!」
「・・・・・・・なんだそれは?」
「手袋なのか?それとも判子に見えるような」
「その通りー!お市様がいつも使っていた闘具の、京物の最新版をお届けするのですー♪」
「闘具!・・・・久遠、市ってどんな子なんだよ」
「市は活発な娘でな。子供の頃は壬月を相手にして、よく暴れ回っておった」
「壬月相手にねえ。それはガチでやったのか?」
「ああ、ガチでやってたぞ」
ガチかあー。俺とやった時は、確か本気ではなかったはずだ。あれより数倍となっても勝っていたと思う。というか闘具って事は徒手空拳でやっていたのか?まるで凪や貂蝉を思い出すな。凪は気で戦い、貂蝉は拳。しかもあのアグニの攻撃さえ無傷でいられるとかだったし。考えてもあれなので、会うまでは楽しみにしておこうと思いながら進むのであった。
「一真様・・・・小谷が見えてきましたよ」
詩乃の声に顔を上げると、遥か向こうに小さな城が見えた。望遠鏡で確かめると確かに城だった。
「美しい・・・・山々を覆う鮮やかな緑の中、慎ましげに姿を見せる城館は、まるで海に浮かぶ小舟のような・・・・」
「山の斜面をうまく使い、曲輪同士の連携も取りやすくなっていますね。それに死角も少なくなっている。まさに戦乱の申し子のような堅城。無骨ながらも、どこか匂い立つ美しさがありますね」
曲輪・・・・城の防御施設の一つ
「まるで詩人だな、詩乃」
「城とは軍略の粋を極めた芸術品ですから」
「分かります。大自然が生み出した芸術的な曲線を持つ山容と、その山容を理解した上で曲輪を配置し、連携を上げているところなど、感動的で・・・・。はぁ〜美しすぎて、もはや言葉が出せません」
ふむそう来たか。まあいいとして、ひよところに先触れに向かわせて俺達はゆっくりと向かうそうだ。先触れと言うのは、今から行くよという報せをするのが先触れ。ひよところを送った後、俺達は景色を堪能しながら、ゆっくりと向かった。日が落ちる前に小谷城前に着いた。
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