六章 幕間劇
京巡り
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「これが京の街か・・・・」
「うむ」
京の道をぶらぶらと歩いていたが。
「改めて見て回ると凄いな」
「ああ。草の報告で話は聞いていたが・・・・やはり、実際に見ると全く違うな」
「エーリカががっかりするのも分からなくもないけどな」
鬼退治に協力してもらうために、ここまで来たら幕府があんな感じだとは思わないだろう。面会した後から、あまり元気がない。ショックが大きいのは当然だと思う。
「一真もそうなのか?」
「いや、もしやとは思ったけどここまでとはね」
幕府の力よりもこの建物の荒れ加減がな、現代では観光地のはずなのに、見れば見る程、これが京都とは思わなくなる。
「ふむ・・・・。だが、こればかりはどうにもならん」
「・・・・・・・・」
「・・・・冷たいと思ったか?」
「事実だけど、受け止めるしかないと思うな」
「あれが憂いる原因は既に聞いた。辛気臭い顔をしているのは南蛮坊主の件だけではないのだろうが・・・・金柑が話さん以上、察しも出来ん」
「まあな、ひよ達も聞いているみたいだが」
この時代、ヨーロッパの歴史だと大航海時代真っ最中のはず。向こうも権力闘争とかで色々だろう。
「愚痴をこぼして気分が収まるなら、いくらでも聞いてやるんだが」
「吐き出した事に吐き出した後でも憂うというなら、その先は金柑が片付けるべき問題だろうな」
さらりと聞き流したが、いつの間にかエーリカの事を金柑って呼んでいるが定着しているな。たぶん、ひよの猿と同じパターンで定着しているんだろう。
「我らは既に動き出している。今は出来るだけの事をするだけだ」
「そうだな。それにしてもザビエル、ねぇ」
正史では、フランシスコ・ザビエルは、カトリック教会の司祭、宣教師。ポルトガル王ジョアン3世の依頼でインドのゴアに派遣され、その後1549年に日本に初めてキリスト教を伝えた事で特に有名である。また、日本やインドなどで宣教を行い、聖パウロを超える程多くの人々をキリスト教信仰に導いたと言われている。カトリック教会の聖人。
「いずれにしても、遥々海を越えて迷惑な話だ。・・・・さて、飯を食って二条に向かうぞ」
「分かった。それで何を食べる?」
俺らは散策の道を離れて、二条の道を歩きだす。道沿いに小さな料理店で軽く食事を済ませて、俺らがやって来たのは二条館。
「では、後を任せる。日が沈む頃には迎えに来い」
「承知している。一緒に帰ろうな」
今日も久遠とは一葉と話があるそうだ。俺は同席しなくてもいいそうだから、ここで別行動。
「う・・・・うむ。ではな」
「行ってらっしゃい」
会釈をすると久遠は二条館に堂々と入って行く。さてと、俺はどうしよう
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