六章 幕間劇
京巡り
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「・・・・何と。本当ですか?」
「ええ。あれはいつ頃でしたかな・・・・。そうそう、大和に都があった頃。海を渡って、大陸から伝えられた教えにございます。間には、色々と血生臭い騒ぎもあったようですが・・・・それでも日の本の元の神々と折り合いを付け、こうして都に寺を並べております。そういう話は一真様の方がお詳しいのでは?」
「まあ確かに幽の言った通りさ。一番古くて、552年辺りからだったか。今から千年前の話になるけど。たぶんだけど天守教も平坦な道ではないだろうな」
まあ事実だし。古い時代だと飛鳥時代辺りになるかな。幽ほど詳しくはないけど、それに宗派も色々あるからな。十三宗五十六派っていうし。
「茨の道となるのは、覚悟しております。それでもその先に光があるのでしたら・・・」
「・・・・であればそれがしに、言う事はありませぬ。何せ日の本は八百万。異教の神がもう一人二人増えた所で、さして気を悪くはせぬでしょう」
「ヤオ・・・・ヨロズ?」
「八百万とは、数字で表すなら八百万と言うな」
「は、はっぴゃくまん・・・・・・!?日の本には、それほどの神が・・・・!?」
「まあ日本の神は多いからな、俺を合わせてもそれ以上になるかもしれない。それと額面通りではないけどね」
とにかく神仏は一杯いる。俺が会った神仏はほんの一部だし。
「驚きました。ですが、それが本当だとしたら・・・・とても素晴らしいお話です。我らの神もその列に加わって、民に平穏を与えられるのですね」
まあそうなんだけどね。実際会った後、日本の神仏のところに行ってたし。
「そうやって受け入れられるエーリカも、相当凄いと思うよ」
こんな考え方ができるエーリカだからこそ、こうやって日本に来て神の教えを広めようとしているし。
「そうですか・・・・?だとしたら嬉しいです。この地を創ったとも言われる神様に。そのためにも必ずザビエルを倒さねばなりませんね。・・・・あれの悪事が実を結べば、教えはおろか、日の本そのものが危うくなってしまうでしょう」
「それも正直、さして心配おりませぬ」
「・・・・・というのは?」
「吉備津彦、源頼光、麻呂子親王や日子坐王・・・・」
「ああ、・・・・もしかして伝説の鬼退治をした英傑の事?」
スマホでは、その名前に出てくるのは全部キーワードは鬼退治とかだもんな。他に土蜘蛛退治とかあるけど。
「鬼退治の・・・・?」
「左様。日の本は、古来より鬼だの何だの怪異が後を絶たぬ土地。・・・・しかしそれ故に、鬼退治の逸話を持つ英雄豪傑も数多くおり申す。そして我が主たる足利家は、酒呑童子や茨木童子といった鬼の群れを下した頼光公の弟君、頼信公から続く家柄。まさに、鬼退治の英雄の末裔にございます」
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