六章 幕間劇
京巡り
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かね。久々にトレミーに戻ってコーヒーでも飲もうかな。
「おや。一真様ではありませんか」
「幽に・・・・エーリカか?どうした?」
幽がここにいるのは当たり前だが、エーリカがこんな所にいる何てな。少しと言うよりかなり珍しい組み合わせだ。確かエーリカは朝、出かけたらしいけど・・・・。
「はい。幽様にチャノユのお誘いを戴きまして」
「チャノユ・・・・・・茶の湯?」
「天守教の方が、御所は兎も角二条に来るなど滅多にありませんからな。それなりに、繋ぎも付けておきたい所でして」
「接待ならもう少し上手く隠して言えばいいのに」
「ははは。それがし、そういった腹芸がとんと苦手でしてなぁ」
よく言うぜ、まあ本当はそっちこそと言うべきであるけど。ここは止めておこう、何か言われそうだからな。
「しかし、もしや一真様はお茶の心得はお有りでしたかな?だとすれば、一真様もお招きすれば宜しかったか」
「残念ながら、俺の世界ではそういうのはあまり見ない。茶の作法とか、その辺りはさっぱり。エーリカはお茶の席は平気なの?」
「はい。日の本の素晴らしい所を、また一つ教えて頂きました」
「いやはや、数寄の心と侘び寂びを解する南蛮のお方など、寧ろそれがしが驚かされました。・・・・ご母堂の教えが良かったのでしょうなあ」
そういえば、エーリカの母親は美濃の良い所の御嬢さんだったか。だから、茶道の心得があったのかもしれない。俺の所は、紅茶かコーヒーだから。あとそういうのは茶道部とかで、サークルやクラブ・部活とかで習うんだよな。学生の時は。
「それで今日はもう帰るのかい?」
「いえ。茶の湯の席で、私が日の本の建物に興味があるという話をしたら、幽様が京の街を案内してくださる事になりまして」
「それも接待の一環?」
「もちろん。何せ京の街案内は、茶の湯よりも遥かに安上がりですからなぁ」
まあ確かに茶道よりかは、街案内の方が気楽か。二条を仕切ってるなら街案内くらいは軽いと思っていいのか。
「御用とお急ぎがなければ、一真様も如何ですかな?」
「そうだな。俺も暇だし行くか」
と言って、馬で行く事になったので空間から馬を出した。外見は普通の馬だけど、中身は金属生命体。
「なあ、幽。京のお寺の実態はどうなってるの?」
「ああ、あいつら檀家の寄進や寺領の実入りでうなる程おぜぜを持ってやがりますからなぁ。正直、荒ら屋同然の二条よりも、景気は良い所がほとんどですよ。そのくせ二条にはやれ本堂の改築だの、屋根を直すだので寄進しろと何かと小金をせびりに・・・・」
何か黒いな、その話は。エーリカも分かっていないからよかったけど。
「まあそれは置いておいて、大文字山の方には応仁の乱の戦
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