六章 幕間劇
京の街の印象×銃での乱戦
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「一真の銃の扱い、もう少し見ておきたかったが・・・・あれが相手では仕方がない。初対面の時くらいにならないと話にならんからの、またの機会にしよう」
「そりゃどうも。出来ればもう少し穏便にいきたいけどな」
「さて。それでは、礼の一つもしてやらねばならぬな。荒ら屋巡りの前に、少々余に付き合うがよい」
一葉に案内されたのは茶屋だった。
「茶と団子をくれ。三人分だ」
さっき礼をすると言ったのはこのためか、まあいいけどね。あれぐらいのゴロツキが何人来ようとも。
「はい。お茶と団子ねー」
「すまんな。・・・・ところで女将」
「なんだい?」
「我は初めて京に来たのだが、今の京はというのはどこもこのような有様か?」
「そうさねぇ・・・・。あたしも京なら良い仕事があると思って来たんだけどさ、もう当分こんな感じ何だってさ」
「そうか・・・・。京を治めているのは天下の足利将軍と聞くが、それでも上手くいかんのか・・・・」
一応一葉のところに向くと、特に気にした様子ではなかった。まあこれも、情報収集だと思ってやっているんだろうと思っての事だろうな。たぶん。
「どうなんだろうねぇ。将軍様が京にお戻りになってからしばらく経つけど、その前からずっとこんなだって聞くしねぇ。いてもいなくても関係ないんじゃないかね。最近は堺の方が賑やかだって言うし、あたしもこんな店畳んで、そっちに越した方が楽しくやれるかねぇ?」
「それは困るな。なかなかに美味い団子だ、これが京から無くなるのは惜しい」
「おや、そう言ってもらえると嬉しいね。じゃ、ゆっくりしていっておくれ」
と店の女将が奥に行ったのを確かめると俺はお茶を飲む。
「まあ、これが将軍の評判って奴かな」
「ほほぅ・・・・。で、余の評判はどうであった?」
「この茶屋の情報だけでは足りないので判断ができない。保留と言う事だが、久遠はどう思った?」
「暗君に決まっておろう。宮中の魔を一掃する事なく、街を出歩いては悪漢に喧嘩を売り、こうして呑気に団子を食らっておるなど。それに二条は、その日の食事代や油代にも事欠く有様だと聞いているが、こやつは団子をおごりだと言う。その程度の銭勘定も出来ずして、誰を暗君と言うべきか」
「・・・・誰にモノを言うておるか、分かっておるのであろうな?長田久遠三郎」
「言えと言ったくせに腹を立てるか。征夷大将軍も底が知れるぞ」
ふむ。ピリピリしてきたが、この感じが落ち着くと言うのは俺だけであろうか?しばらく黙っていたが、笑い出した一葉。
「まあ、実際その通りだ。我が二条館は知っての通り、その日の油代にも事欠く有様。金を得ようにも領も知れておる故、金回りの良い尾張のような思い切った策も取れぬ。これで
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