暁 〜小説投稿サイト〜
王道を走れば:幻想にて
幕間+アリッサ:妖精の慰み ※エロ注意
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?でもそうしたらコーデリアからどんな顔をされるか。もしかしたら、王都で、私は何もかもを失くすんじゃ....。

 崩れてしまった積み木が床に散らばるのではなく、そのまま虚無へと流れてしまう事をアリッサは恐れていた。悪い考えが悪い考えを呼び、考え得る最悪の結末が、まるでさも確実に訪れる未来のような存在となっていた。清流で洗い流したと思っていた心の澱みが再び浮かんでくるようで、自己嫌悪してしまう。
 と、アリッサは頭を振って己の両頬を叩く。意識が切り替わったように、瞳からは憂鬱な光が消えていた。

「これじゃ前と一緒じゃない。そうじゃないでしょ、私。何やっているの」

 両手はそのままに、彼女は大きく息を吸い込んだ。臆病な自分自身が拒もうとしていた言葉がもう喉にまで込み上げている。あと一歩、吹っ切れて言うためには剣を正面から受けるような覚悟が必要だ。鎧も、盾も兜もいらない。真っ直ぐ上段から斬り下ろされる一振りを、白羽取りするのである。
 怪物と対峙をするように、凛々しき女性は勇気を振絞る。己の不安を払うかのように、遂に口からその言葉が放たれた。

「私は、王女に、真実を、伝える!」

 森の静けさを声が突き破る。滝の音を貫くその大きさに驚いたのか、遠くの茂みでかさかさと動物が走り抜けるのが聞こえた。
 胸がスカッとしたような気分に陥る。自分で意識した訳でもないのに、上半身が起こされて、しかも大きく深呼吸をしたい気分だった。それに従って新鮮な空気を一気に取り込んで、邪気を払うようにすぅっと吐き出す。頭に巡っていた悪い考えが全部吹き飛んだような感覚である。

「言ってしまえば簡単よね....どうかしていたな、さっきまでの私は」

 堂々としていればいいのだ。何が来ようとそうして、胸を張るべきである。対外的に問題のある事かもしれないが、そうした方が最後には自分自身が納得のできる終わり方を迎えられるのである。
 騎士アリッサはその立場の重みよりも個人としての意思を優先した。爽快なまでの気持ちは、脳裏を駆ける肉体的なイメージを物ともしない。それどころか想い人の帰還を待ち遠しく思えてくるようになった。

「何時帰って来るんだ、ケイタク」

 王都に帰って来るまでに何年かかるのだろうか。その間に自分はどんどんと老いてしまうだろう。身体は張りと瑞々しさを失い、彼が熱く抱いたこの身体は様変わりする。ともすればあの時感じた情事の昂ぶりも変わるのではなかろうか。
 慧卓の身体が思い出される。ほんの僅かな時間で錬成されたとは思えない、未熟さと逞しさが混じった肉体や、男らしさのある硬い手。隆起した男性の象徴が己を貫いて、揺さぶり、最高の快楽を引きずり出す。つがいの雌にされるような恍惚感。桃色じみたイメージを想起すると、それが治まるまで付き纏う
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