陽だまりのダークナイト
Erosion Criminal Dragon
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
特別視されていた。
「ドラゴンよ……」
爆発音が鳴り響いた。
いや、その表現は誤りだ。確かに爆発音のような大音量の轟音が響いたのは事実だ。
ドラゴンが―――咆えた。
全てを吹き飛ばしてしまいそうな、物理的な破壊力さえ伴う魔剣のドラゴンが放つ咆哮。
木々は軋み、大地は震える。
ドラゴンがその巨大な刃塗れの腕を、前足を振るった。
それで、終。
ドラゴンを構成する無数の魔剣が放つ禍々しい魔のオーラが虎の獣人に牙を剥き、猛烈な殺傷力となって獣人の肉体を刻む。
魔風が斬り、魔炎が焦がし、魔氷が凍らす。
後には凍りついた歪な肉塊が残っていた。
元の形がわからないほど切り刻まれ、焼き尽くされたかのように焦げ付いているが、中まで凍り切っている。
悲鳴は―――聞こえなかった。悲鳴を上げることもなく死んだか、悲鳴は上がったが聞こえなかったか。
どちらだろうと僕にはどうでもいいことだ。
ただただ敵を打ち倒したことに対する達成感だけが、僕の中にあった。
「おや、まさか自力で倒してしまっていたとは。それにこのドラゴンは……どうやら私が思っていた以上に、少年には才能があったようですね」
いつの間にか、師匠の沖田総司が近くに立っていた。
……気配にすら気付かなかった。
見れば、慌てた様子でリアス・グレモリーがこちらに近付いてきている。
ドラゴンは、僕が禁手を維持できなくなったことによってバラバラに崩れ去って行った。
……いつか、使いこなせるようになりたいな。
―○●○―
壊された墓標を師匠とリアス・グレモリーと共に直している中で、静かに師匠は言った。
「少年、あなたは以前こう教わったと言いましたね。悪魔は人間を滅ぼす存在だ、と」
あの釣りの時、そのようなことを僕は言った。
師匠は盛られた土に新たな墓標となる剣を立てながら続ける。
「私もね、転生したての頃は悩みました。人間を止めたこと、魔なる存在になったことを。その中で我が主、サーゼクス・ルシファーはこう仰いました」
『自分で考えて欲しい。私は君にチャンスを与えたに過ぎない。どう生きてどう過ごすのか、それは君が決めるべきだ。ただ、たまに私の眷属として仕事を手伝ってくれないだろうか?その剣術が私にとって必要だと信じている。だが、もし君が人間の脅威になろうとするのなら―――主の私が責任を持って消滅させてもらおう。―――だがね、これも覚えておいて欲しい。悪魔も人間も天使も何もかも、滅んでいい種族などこの世に一つもないのだよ』
師匠は続けて言った。
「人間を滅ぼす悪魔になるかどうかは、自分次第と言うことです。無論、あなたも私もリアス姫もそうではないでしょう?」
僕は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ