陽だまりのダークナイト
Erosion Criminal Dragon
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分まで生きて、同志達の無念を晴らし、僕自身の憎悪を晴らす。
復讐は何も生まない?
それがどうした。僕は何かを生み出そうとなんて思っていない。ただ許せないから、悲しいから、憎いから、復讐を果たす。何のことはない。復讐の半分は自己満足のためだ。
死んだ者は喜ばない?
それがどうした。確かに死んでいった同志達は復讐なんかよりも僕のことを思っていてくれているかもしれない。けれど、この憎悪を、無理に押さえつけることは僕にできない。そんなことをし続けたらきっと狂ってしまうだろう。
復讐者たる当人がそれでいいと思っているのだ。何の問題がある。
僕は、今の生活に楽しみを見出しつつある。だが、僕の中から復讐心が消え去ることはない。
僕は殺意を胸に、獣人に向けた剣を握り締める。
「ふざけるな。誰が、貴様なんかと行くものか!」
獣人は醜悪な笑みを見せるだけだった。
『まあいい。とりあえず、痛めつけて静かにすりゃいいだけだ』
獣人が全身から殺意を放ち始めた。攻撃を仕掛けてくるつもりなのだろう。
殺意が放たれた瞬間、僕は反射的にその場を駆け出し、ジグザグに動き回って相手の死角へ剣を振った。
脇腹取った!―――と思った瞬間、虎の獣人は瞬時に姿を消した。
速い。そう思ったのも束の間、突貫する僕の背後から激しい一撃が浴びせかけられた。
首をそちらに向ければ、蹴った格好の獣人がそこにいた。一瞬で、背後を取られた。
息が詰まるほどの衝撃を背中に受けながらも僕は何とか着地する。
獣人はゲラゲラと下品に笑った。
『いい動きだ。その歳のガキにしては速い。―――が、まだ俺の敵じゃねぇな。これでもとある主の下で騎士をやっていたんでね。ま、碌に剣は使えなかったけどよ。坊主も見たところ騎士か?パワーはなさそうだな』
……そう言えば、悪魔はチェスの駒を模した道具によって特性を与えると聞いたことがある。
僕に与えられた駒は、騎士か。リアスと名乗った少女もそんなことを言っていた気がする。
『ふん。人間の転生者は脆いよな』
獣人は大振りに蹴りを放つ。僕の立てた魔剣の墓標が尽く粉砕されて行った。
『やっぱ結構かてぇな。壊せねぇことはねぇが足が痛くなっちまうぜ!まあそれでも脆いことには変わりねぇ。こんなクソみてぇな墓標に拘っているようだがよ!お前同様墓標も脆いな!』
僕は、考えるよりも先に飛び出していた。
「クソッ!」
ふぁが、悔しいことに相手の動きは僕以上であり、魔剣を振るっても尽く反撃されてしまう。魔剣に能力を付加させ、炎や風で広範囲を攻撃しても大振りの蹴りで薙ぎ払われ、無効化されてしまう。
僕は、攻撃を躱されてカウンターを喰らっても、何度も立ち上がって向かって行
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