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「うぐぁっ!?」
意識が覚醒し、一気に目を覚ます。冷たい汗が額を伝った。
しばらくの間茫然と天井を見つめていたが、はっとして体を起こすと、どうやらどこかのベッドに横たわっていたようだ。
ただ、その部屋に見覚えがない。スポーティな内装や家具、鞄などが並べられ、部屋の窓の向こうにはプールすら見える。
「……ジムかなんかか?」
ベッドから降りると、そのベッドすらベンチのような外観の物だった。
「ずいぶんこってるなぁ」
「だろ? リフォームだけで2日もかかった」
「だろうな……うおっ!?」
突然の背後からの声に驚いて振り返る。そこには、髪、瞳、服と、3拍子真っ赤な男が立っていた。
「……誰だ?」
「ん、自己紹介がまだだったか。俺はデュラム。デュラム・ハーツだ」
その名前を聞いた瞬間、リュウジの頭にエミリアの話がフラッシュバックした。
「あぁ、ヘルガ、カムハーン、ナギサとぶっ倒して、三度グラールを救ったっていうあの……」
「お、もうエミリアから話は聞いたってか、光栄光栄! ……でもナギサはぶっ倒してないぞ? ナギサじゃなくて、憑りついてたほうだからな?」
無邪気に笑うその姿には確かにどこか愛嬌があるが、リュウジにはそれよりも気になっている事があった。
「ここ……どこだ?」
デュラムは一瞬キョトンとし、何か納得したように手をポンと叩いた。
「あーそっか、気絶してたんだったな」
「気絶……あぁそうかそうだな」
あの頭痛は、恐らく感応現象を起こした時ではなく、受けた時の反応だろう。
誰かが自分を感応現象で見た事になる。
「まさか……アツシか?」
「おーい、聞いてるのかー」
「え? あぁごめん、考え事をな。それで、ここは?」
「んだよ……だから、ここはスカイクラッド社が管理する大型リゾートコロニー、『クラッド6』の中にある、民間軍事会社リトルウィング。そんでここは俺の部屋」
クラッド6という言葉も、リトルウィングという言葉も、先ほどエミリアから聞いた話にあった物だ。
「しかし、なんであんたの部屋に?」
「エミリアが勝手に運び込んだんだよ。しかもなんか滑車ででっかいの運び込んで来て、触んな! ってドヤされたり」
「でっかいの? おいそれって……」
「デュラムサァーン!」
突然、耳をつんざく程の甲高い声が、部屋の中に響いた。
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