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グラールの神機使い
6-2

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「うぐぁっ!?」

 意識が覚醒し、一気に目を覚ます。冷たい汗が額を伝った。

 しばらくの間茫然と天井を見つめていたが、はっとして体を起こすと、どうやらどこかのベッドに横たわっていたようだ。

 ただ、その部屋に見覚えがない。スポーティな内装や家具、鞄などが並べられ、部屋の窓の向こうにはプールすら見える。

「……ジムかなんかか?」

 ベッドから降りると、そのベッドすらベンチのような外観の物だった。

「ずいぶんこってるなぁ」

「だろ? リフォームだけで2日もかかった」

「だろうな……うおっ!?」

 突然の背後からの声に驚いて振り返る。そこには、髪、瞳、服と、3拍子真っ赤な男が立っていた。

「……誰だ?」

「ん、自己紹介がまだだったか。俺はデュラム。デュラム・ハーツだ」

 その名前を聞いた瞬間、リュウジの頭にエミリアの話がフラッシュバックした。

「あぁ、ヘルガ、カムハーン、ナギサとぶっ倒して、三度グラールを救ったっていうあの……」

「お、もうエミリアから話は聞いたってか、光栄光栄! ……でもナギサはぶっ倒してないぞ? ナギサじゃなくて、憑りついてたほうだからな?」

 無邪気に笑うその姿には確かにどこか愛嬌があるが、リュウジにはそれよりも気になっている事があった。

「ここ……どこだ?」

 デュラムは一瞬キョトンとし、何か納得したように手をポンと叩いた。

「あーそっか、気絶してたんだったな」

「気絶……あぁそうかそうだな」

 あの頭痛は、恐らく感応現象を起こした時ではなく、受けた時の反応だろう。

 誰かが自分を感応現象で見た事になる。

「まさか……アツシか?」

「おーい、聞いてるのかー」

「え? あぁごめん、考え事をな。それで、ここは?」

「んだよ……だから、ここはスカイクラッド社が管理する大型リゾートコロニー、『クラッド6』の中にある、民間軍事会社リトルウィング。そんでここは俺の部屋」

 クラッド6という言葉も、リトルウィングという言葉も、先ほどエミリアから聞いた話にあった物だ。

「しかし、なんであんたの部屋に?」

「エミリアが勝手に運び込んだんだよ。しかもなんか滑車ででっかいの運び込んで来て、触んな! ってドヤされたり」

「でっかいの? おいそれって……」

「デュラムサァーン!」

 突然、耳をつんざく程の甲高い声が、部屋の中に響いた。
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