第一章 ジュエルシードを巡って 〜海鳴 P・T事件〜
第一話 始まりはいつ、どの世界だって突然なものだ
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れており、その色は淡く黄金に輝いている。アクセサリーの類、なのだろうか。だが、こんな形、色のブレスレット、いやブレス念珠と言うべきか。ともかくこんなアクセサリーは見たことがない。俺の今身につけている服に関しての知識はある、ということはこういう着るものや装飾品についての知識が無くなっているということではないのだろう
では、何故?知らないということはこの腕輪は俺が気を失っている時に別の誰かによって付けられたということなのだろうか
取り敢えず取り外してからもっと観察しようと思い、それに手を置いた瞬間、輝きが増して視界が黄金に染められる。そしてその中から聞き慣れない言語ーー英語なのだろうかーーが聞こえてきた
〈初期起動プロセス開始 マスター認証......認証登録完了 続けて機体情報確認 プロセスエラー アドミニストレーターによる制限を確認 解除を行ってください 補助AIはコールドスタンバイに移行 デバイスには機能制限が行われます 起動には第一ロックを解除してください〉
言われたことの半分も理解できず、さらにいきなりのことだったので訳が分からず頭がフリーズする。幸い、IT方面の知識もあったので聞き取れた部分は全て理解できたが、それでも混乱している
「なんだこれ」
語彙が足りないとかそういうレベルではなく、本当にこの言葉しか頭に浮かばなかった。同時にこのなにかが腕から外れないことも理解した。何かで固められているかのように動かない。外すのは諦め、付けたまま観察する。先程とは異なり、今は光がゆっくりと点滅しているようになっている。なにか仕組みがあるのだろうとは思うが、悩んでも分からないので思考を止める。よくわからないことで頭が一杯になり、一旦落ち着こうと深呼吸をする
「すぅ...はぁ.....?!」
吐き終えるのと同時に背筋になにかが走る。だがそれは悪寒などの気味悪さからくる物ではなく、むしろ自分の中でなにかがかっちりと重なった。俺は半ば無意識に感じた物の正体を呟く
「魔力...。あっちか?」
自分の思考に疑問を持つこともなく、何かに導かれるように森の中を走り出す。暫く走ると、頭の中に声が響く
『誰か...助けて..下さい』
声は弱々しく、今にも泡と消えてしまいそうなイメージが頭の中に浮かぶ。それが聞こえてからはより明確に向かうべき場所を意識して、足に力を込める
その声は繰り返されており、それを聞きながら無心に走り続ける。暫くすると、他よりも少しだけ開けている場所が見えた。その中央には小さな物体が見える。近づくにつれて、それは倒れている小動物であるということが分かった。同時に、こいつがさっきのをやったのだということもなんとなく理解した
すぐ近くまで寄り、よく観察する。体の至る所に傷があ
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