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ネギまとガンツと俺
第25話「過ちと真実」
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ると言った様子で、まるで信じたくない言葉を紡ぐように彼は呟く

「……俺のせいか?」

 大正解。

 あらゆる観点から見つめて何度も考え直した結果、最早それしか考えられない。

 ――マズイ。

 これはまずい。

 まさかここまでの事態に陥ることは考えていなかった。

 目の前で成す術なくいたぶられているネギの姿に、さすがにタケルの心が痛む。

 ――まさか、ここまで俺の影響が大きいとは。

 目の前の天才少年をあまりにも完全な人間だと思い込んでしまっていた。

 僅か10歳にして大学を卒業、しかも中学生の教師。魔法力は親譲りで強大。運動神経も抜群らしく、武術を始めてまだ浅いにも関わらず、既に古菲すらも目を瞠るほどの上達振りを見せている。

 そうだ、ネギは良く似ていた。似すぎていたといっても過言ではなかったのかもしれない。

 タケルはもう一人の天才少年をよく知っていた。面影もないし、性格も似ていないが、天才ぶりならネギに勝るとも劣らない人間。

 ……だから、かもしれない。

 ネギのことをまるで弟のように気をかけつつも本当の心配をしたことはなかった。

 『ネギほどの天才ならどうせ一人でどうにか乗り越えるだろう』

 そう思ってしまっていた。

 今日も、そうだ。

 片手片足が石化してしまうかもしれない、といわれて思ったことは『ネギなら大丈夫』と。

 それだけだった。

 だが。

 現実はどうだろうか。

 ネギは恐怖に怯え、殴られ、それでも生徒達やタケルを助けたいという想いから震える足で立ち上がる。

 その姿はあまりにも弱く、強い。

 タケル自身も、またタケルが知っている天才少年もそれほどに純粋な心は持っていない。

 今まで生き残るために、何でもやってきた。

 手段も選ばず、他の命を切り捨て。

 そうやって命をつないできた。

 タケルの目が曇る。

 ――俺は今まで一体……何を……?

 
 何を見てきたというのだろうか。


 ネギの目もくらむような才能?


 大抵の女性に可愛いと評されるルックス? それとも……?


 何をやってきたのだろうか。

 
 本当に意味があったのかが分からない程度の僅かな手伝い?


 生徒に告白された時の対処方? それとも……?


 そうだ。


 ――結局、俺はネギを見ていなかった。


 ネギは天才だが、良くも悪くも平凡な人間なのだ。

 平凡だからこそ純粋に手を差し伸べることが出来る。

 平凡だからこそ純粋に心から人を心配できる。

 平凡だからこそ。




 ネギが吹き飛ばされ、壁にぶつか
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