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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十二話 その名は絶剣
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あってアスナはキリトをボコボコにするつもりで挑んだのだが……意外にも(少なくとも当時のアスナにとっては)、一件のんでんだらりとしたキリトと言う少年には、驚くほどの実力が有った。

十分近い熱戦は結局キリトのとあるフェイントによりアスナの負けで終わり、ギルド側は折れる形となったのだが、その際アスナの中に小さな芽のように芽吹いて居たキリトに対する心が根付いてしまったのである。
そして同時に、アスナの心に根付いたもう一つが、最強の剣士と言う言葉だ。

勿論、キリトに言わせれば自分よりも強い者はいくらでもいると言うが、実際の所、剣士という枠組みに置いては、キリトよりも強い者はそうそういないだろうと言う確信が、アスナの中には未だ強く有った。

所が……

「あぁ、キリトな、負けたぞ」
「えっ!?」
ニヤリと笑いながらさらっとリョウの言った一言に、アスナは思わず聞き返していた。
慌ててリョウ以外のメンバーを見渡すと、他のメンバーもくすくすと笑い、リーファが言った

「ホントですよ。そりゃーもうかっこ良く」
「な……」
唖然としたまま、アスナが固まる。少しかすれた声で、その続けて聞いた。

「キリト君……本気だったの?」
「うーん、どうなの?」
「ん?」
聞かれたリズが腕を組んでむぅ、と考えた後に、リョウに聞いた。
タルトに大口開けてかぶりついて居たリョウは聞かれた事に気が付いて右の掌で「ちょいまち」のサインを出しながらタルトを呑みこむと、二ヤリと笑いながら返す。

「まぁ、二刀じゃ無かったっつっても、少なくとも一本の時の彼奴としちゃ真剣にやってたと思うぜ。手加減……ってか手を抜いてたって事は先ずねーな」
「ッてアタシ等の中じゃ一番そう言うの分かる奴が言ってるし、そんなんだと思うわよ?」
「…………」
今度こそ、アスナは絶句した。リョウがこれだけはっきり言うと言う事は、ほぼ間違いなくキリトは真剣勝負だったと言う事だ。そのキリトが負けると成ると……と、思ってから、アスナはもう一つの可能性にたどり着いた。

「もしかして……リョウもやったの?」
「あ?」
「あ、そう言えばアンタはやったの?アタシ達といた時はやって無かったわよね?」
「今日は良いや。とか言ってましたけど、あの後はどうしたんです?」
リズとシリカが気になったようにアスナに続いた。どうやら二人はリョウがその絶剣とやった所を見てはいないらしい。三人の問いに、リョウは肩をすくめて苦笑しながら答えた。

「いんや。俺はまだあの嬢ちゃんとは。ってか片手直剣のOSSとか俺がもらっても仕方ねーしな」
「それは、そうですね」
「えー、一度やってみたらいいじゃない。リョウ兄ちゃんなら良い所まで行けそうだよ〜?」
「めんどくせぇもんよ。俺はお前らみたいにバト
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