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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十二話 その名は絶剣
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このアインクラッドが実装された際に、運営側がそのソードスキルを一部のユニークスキルなどを除き殆どオリジナルのままで実装したのは、なかなかこの運営チームの冒険心が表れていると言えるだろう。
当然、近接武器攻撃の戦術を根底から一気に揺るがすSSの導入はALOの戦闘システムを根幹から変えた。
まぁ始めこそその是非に関しては大きな議論を呼んだものだが、はっきり言ってソードスキルの爽快感と言うのは、ゲーマーであるリョウがはっきりと「段違いだ」と断言するほどの快感が有る。

結論として、古参ALO住人達も皆、一度SSを使用するとすぐにその快感に魅せられてしまった。導入から半年以上が立ったが、今でも《空中軌道》+《ソードスキル》といった奥深いソードスキルを使った戦術は、活発な論議の対象だ。

そんな中、運営が導入したもう一つのシステム。それが、OSSだった。
プレイヤーが自ら考え、登録する事の出来るソードスキル。そんな、男なら(あるいは一部の女性も)誰もが憧れる、《ぼくのかんがえた必殺技》を作りだす事が出来るシステムが導入された直後、おおくの剣士たちはこぞってその開発に乗り出し……そしてことごとく挫折した。
理由は簡単。OSSを作るのが、とんでもなく大変だったからだ。

OSSを作るプロセス自体は、其処まで難しい物では無い。
メニューウィンドウからOSSボタンを押して、剣技記録モードに入って幾つかの細かい項目を入力した後記録開始ボタンを押したら、思うように剣を振り回して、技が終わったら記録終了ボタンを押す。
実にシンプルだ。

ただその容易さに反して、OSSが承認される為の条件は厳しい。
基本的に、斬撃(スラッシュ)刺突(スラスト)といった基本的な動作の単発技は、ほぼ全ての動作が既に既存のSSとして登録済みである。故に、OSSを作ろうと思うと必然的に連続技意外には無いのだが、この連続技は軌道や重心移動にいささかでも無理があっては成らず、しかも登録時には。ソードスキル並みのスピードで剣を繰り出し登録しなければならない。
半ば矛盾と言ってもよいのだ。何しろシステムアシストが無ければ本来不可能なはずのソードスキルを、そのアシスト無しで繰り出せと言っているのだから。
其れを可能にするには、それこそ身体がその動作を覚えるまで延々その動作を反復練習するしかない。

結果として、殆どのプレイヤーはその地味な練習に耐えきる事が出来ず、呆気なくOSS開発を放棄してしまった。
無論、一部の努力家達はそれでも諦める事無くOSSを開発し、中には一代限りOSSは《秘伝書》と言うアイテムとして他者に伝承する事が出来ると言う特性によって、流派の開祖のような地位を手にした者すらいる。

軌道の予想がつかないSSであるOSSは、当然対人戦、対モンスター戦双方
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