MR編
百三十二話 その名は絶剣
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うして……
「…………」
「アースナー?聞いてるー?」
「え?あ、ご、ごめん!ちょっと考え事してた……」
苦笑して言ったアスナに、リョウが面白がるように笑って言った。
「っはは。なんだお前。向こうで見合いでもさせられたか?」
「へっ!?」
「……あ?」
不意を撃たれたように飛び上がったアスナの反応が、逆に予想外だったリョウが疑問の声を上げながら眉をひそめた。
隣に居たリズが、眉を寄せながらピクリと反応して聞く。
「ちょっと?何引きつってんのよ、アンタまさか……」
「な、ないないない!今のは行き成りでびっくりしただけだから!それ以上でも以下でも無いわよ!!」
「……そう?」
「ま、本人がそう言うならそうなんだろ」
リズの言葉に、リョウが諌めるように苦笑して言った。
ちなみに実際の所、アスナは嘘は言っていない。別に見合いをさせられた訳ではないのだ。
ただ……東京に帰る前日に、何やら本家の銀行の取締役だかの息子だと言う大学生と、まるで示し合わせたように二人きりにされると言う事態が有った。既に就職が決まっているらしい銀行でこれからどのように出世して行くだとかと言う話しを延々続けたその男に対してアスナはひたすら笑顔で応じるしかなかったのだが、もしかするとあるいはアレは大人たちのよからぬ企みでもあったのではないかと思えてならない。
と、何時までもそんな事を考えていても仕方が無い。
嫌なイメージを内心で頭を振って追い払うと、アスナは話の軌道を戻す。
「で、強いの?その絶剣さん」
「ん。超絶なのよ其れが。デュエル専門なんだけどね、24層の北の端っこの方に、ちょっとでっかい木の生えた離れ小島っぽい所が有るでしょ?あそこの根元に毎日午後三時になると表れて、立ち会い希望のプレイヤーと一人ずつ対戦すんのよ」
「えへぇ……大会とか出てた人なの?」
「ううん。新顔よ完全に。まぁスキル数値は高そうだったし多分コンバートだけど、最初は《NeWS(ニュース)》の掲示板に対戦者募集って告知があってさ。生意気な新参者をいっちょ揉んだろうの会の方々が三十人くらい押しかけたわけよ」
「で……返り打ち?」
「綺麗にね」
笑いながらリズは言うが、其れが並の事では無いのは彼女にもアスナにも分かって居た。
「何でも、HP三割削れた人はいなかったらしいですよ?」
「へぇぇ!」
リーファの補足に、アスナは今度は驚きの声を上げた。其れはますます並ではない。と、アスナの隣でタルトをもきゅもきゅしていたシリカがほのぼのと言った。
「ちょっと信じられませんよね〜、私なんて空中戦闘に慣れるまでに半年くらいかかったのに、コンバートしたてであの飛びっぷりですもん。私なんて見ただけで勝てないの確信しちゃいました」
「ま、そ
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