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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十二話 その名は絶剣
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リズの問いに対して、アスナは首を傾げながら問い返した。

「ゼッケン?運動会でもするの?」
その問いに、リョウが少し壺には言ったかのように吹き出しながら訂正した。

「違ぇってゼッケンじゃなくて、絶剣。漢字だ漢字。絶対の絶に、俺らがいつも使ってる剣の剣で、絶剣」
「って……アイテムか何かの話し?」
「ん〜ん。人の名前……って言うか、二つ名よ」
リズの言葉に、アスナはふむん。と考え込みながら呟く。

「二つ名……」
「多分、とっても強いから、絶対無敵、とか、超絶無比、とかの意味で、誰かが呼び始めたんじゃないかな?今、噂になってるんだよ?」
「へ〜、サチも知ってるって、珍しいね?」
「そ、そうかな?」
あはは……と笑いながら言うが、実際彼女が強者の噂を知り得ていると言うのは其れなりに珍しい。サチはどちらかと言うと、そう言った事に関しては疎い方の人間だ。
そう言うアスナはどうかと言うと、強いプレイヤー。と言う言葉には、少なからず興味をそそられる人間である。

まぁSAO時代から其れなりに剣の腕には覚えがる。
何しろ治癒師(ヒーラー)メインであるはずなのに、時々昔の血がうずいたいたりして行き成り前線に出て大暴れしてしまう事も多々あり、そのお陰で《バーサクヒーラー》等と言う不本意な二つ名を頂戴したりしているのだ。
まぁその二つ名も始めこそ大いに不満だったもののいつの間にか慣れてしまい、月例のデュエル大会等にも、最近は積極的に参加している。
空中戦の三次元機動にも慣れて、古参ALO組の強者達ともまともにやり会えるようになってしまうと、やはり新たな強者と聞けば興味が湧いてしまう物だ。

「まぁ、サチが知ってても、アスナが知らねーのは無理ねーよ。この話広まってきたの年末年始辺りだ。お前年末ずっと京都だったろ?」
「あ、成程ね」
「もー、嫌な事思い出させないでよね〜」
少ししかめっ面を作ったアスナに、リズがごめんごめん。と笑った。

「まー、良いとこのお嬢さんってのも大変よね〜」
「ホントに大変だったんだから。一日中着物着て正座してずっと挨拶。夜こっそり大分しようと思ってわざわざアミュスフィア持って言ったのに泊った離れ、今時無線LANも無いんだもん。持って行き損だよもう……」
「あはは……でも、そう言う所も含めて、伝統とか歴史を大事にしてるってことなんじゃないかな?」
「それは分からないでも無いんだけど……」
苦笑して言ったサチにむぅ、と唸ってアスナはまた一口ハーブティーを啜る。

年末年始のアスナは、彼等の言う通り、つい先日まで京都に居た。
京にある結城本家……所謂、父の実家にだ。
昔は、其れが当たり前だった。年末年始に祖父母の家に行くなど、別段おかしなことだとは思わなかったし、離れて暮らす従兄弟達に会う
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