追憶のジェラール
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・『アニマ』って言ってた」
「アニマ!?」
「何だそれは」
ココロの言葉にシャルルは僅かに目を見開き、ヴィーテルシアは訳が解らないというように眉(人間でいう眉辺りの毛)を顰めた。
「うん・・・私達にもよくわかんないんだけど・・・ついてくると危険だからって近くのギルドに私達を預けてくれたの」
「それが化猫の宿だよ」
「で・・・ジェラールはどうなったの?」
「それっきりなの・・・最後に会った7年前のあの日から、ジェラールには会ってない」
シャルルの問いにココロは悲しそうに首を横に振る。
「その後・・・噂でね、ジェラールにそっくりの評議員の話や、最近はとても悪い事をしたって話も聞いた」
「でも・・・それにエルザさんやナツさん達が関わってたとしても、僕達には信じられないんだ」
「私達の知ってるジェラールは、とても優しい人だったから。少なくとも、あの頃は」
ウェンディ、アラン、ココロは恩人の事を懐かしそうに、嬉しそうに語る。
「ジェラール・・・私達の事、覚えてないのかなぁ?」
樹海の奥・・・ニルヴァーナの封印場所に、エルザはいた。
封印が解かれた事に影響しているのか風が強く、舞い上がる砂埃を両腕で防ぎながら歩みを進める。
そしてエルザが顔を上げ――――――。
――――――その目が信じられないものを映すかのように、見開かれた。
そこに立つのは友であり仲間であり因縁の相手。
亡霊に取り憑かれた哀れな理想論者。壊れた機関車のように止まらない亡霊。
――――――ジェラールが、確かにそこにいた。
その様子を、岩陰で見ている男がいた。
(エルザ!?復活したのか!?くそ!このオレが接近に気がつかねぇとは・・・ニルヴァーナの本体が起動するまではジェラールはやらせんぞ)
毒蛇キュベリオスを連れたコブラだ。
エルザを睨みつけながら、岩陰に身を隠す。
「・・・ジェラール」
「エルザ・・・」
お互いがお互いの名を呼ぶ。
呆然と、呟く。
「お・・・お前・・・どうして・・・ここに・・・」
「わからない」
エルザの問いにジェラールはそう答える。
エルザは目を伏せ、俯いた。
――――――が、すぐに視線を上げる事になる。
「エルザ・・・エル・・・ザ・・・」
ジェラールは呆然と、壊れた機械のようにエルザの名前を繰り返す。
俯いたジェラールは、体を小刻みに震わせながら口を開いた。
「その言葉しか覚えてないんだ・・・」
紡がれた言葉はエルザとコブラの目を見開かせ、驚愕させる。
「え?」
「!?」
驚愕の声を上げるエ
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