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Element Magic Trinity
追憶のジェラール
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・・・」

シャルルの容赦ない言葉に頭垂れるウェンディとココロ、困ったように笑みを浮かべるアラン。

「やっぱり私・・・」
「でもアンタがいなきゃ、今頃エルザは死んでたのよ」
「でもニルヴァーナも見つかんなかったし、私じゃなくてもルーさんがいたよ」
「どうだろうな。ルーの魔法はお前と違って回復専門という訳ではない。後方支援や防御、多少の攻撃さえ熟す。完全な解毒が出来るか解らん」

俺の傷は完全に治したがな、とヴィーテルシアは呟く。
続くようにシャルルが口を開いた。

「ヴィーテルシアの言う通りよ。それにアンタだってジェラールって人に会えて嬉しかったんでしょ?アランとココロも面識あるみたいだけど」
「それは・・・」
「嬉しかったよ。でも、状況が状況だし・・・」
「私はまだ直接会ってないから」

シャルルの問いかけに3人は顔を見合わせ困ったように返す。

「ねえ?何なの、あのジェラールって。恩人とか言ってたけど私・・・その話聞いた事ないわよね」
「そうだね・・・話してなかったね」

ウェンディは目を伏せ微笑み、話し始めた。

「あれは7年前、天竜グランディーネが姿を消して、私は1人・・・路頭に迷ってたの。その時助けてくれたのがジェラールとアラン君。てゆーか、彼も道に迷ってたんだって。そして私達は一月くらいあてのない旅をしてたの。その途中でココロちゃんと出会って・・・」
「私はウェンディちゃんと同じ。灰竜グラウアッシュが消えて路頭に迷ってた時にジェラールに助けられたんだ」

当時を思い出すように、ココロの瞳は輝く。
それとは対照的にアランの表情は暗かった。

「僕は・・・未だに自分でもよく解らないんだけど」

桃色の目を伏せ、ポツリポツリと語り始める。





「僕の住んでた街が・・・空に開いた穴に吸い込まれたんだ」





吐き出すように放たれた言葉。
それにはウェンディとココロも目を見開いた。

「え?アラン君はジェラールと偶然出会って旅を始めたんじゃ・・・」
「うん。間違ってはないんだよ。ジェラールさんと会ったのは偶然だし・・・でも、街が消えた話はしてなかったね」

風が灰色の髪を揺らす。

「何の前触れもなく、空に穴が開いた。その日は大雨でね・・・家の窓から空を見てたら、突然穴が開いたんだ。それで・・・一瞬で全てが消えた。吸い込まれたって気づくのには時間がかかったよ。で、何故か僕だけ残された。そこでジェラールさんと出会って・・・旅を始めて、ウェンディとココロに出会った」
「それから4人で旅をしてたんだけど、ある日急に変な事言いだして」
「えっと・・・何だっけ」

アランが首を傾げる。
それに答えるようにココロが口を開いた。

「確か・・
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