追憶のジェラール
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なさい!手を伸ばして!ナツ!」
「おおおお・・・」
ルーシィが声を上げるが、ナツは弱々しい声を上げるだけ。
すると、横から伸びてきた手がナツの腕を掴んだ。
「ルー!」
「ルーシィは僕の手掴んで!ナツは僕が掴んでるから!」
「解った!」
頷き、ルーの左手を掴む。
と、同時にイカダがガクンと大きく揺れた。
「きゃっ」
「わっ」
「うぷ」
その拍子にルーシィとルーもイカダに乗り上げる。
そしてそれが合図だったかのように、イカダの流れるスピードが増した。
「ひー!何よォ〜急流〜!?」
「おわぶああああ!」
「わあああああああ!ルーシィ前!前っ!」
「!」
急流に入ってしまったイカダはさらに進む。
そしてその先、ルーが慌てて指さす先には・・・滝があった。
このままでは、落ちる!
「ちょっとォ!ウソでしょオ!?ルー!魔法でイカダを浮かばせたり出来ないの!?」
それに対し、ルーは
「・・・てへっ」
「誤魔化すなあああああっ!」
今のルーにイカダを浮かばせろとは今のルーシィにロキを召喚しろというのと同じ事。
しかし、ここで逃げるわけにはいかない。
こっちには乗り物酔いで弱っているナツがいるのだ。
2人は覚悟を決め、ぎゅっと目を瞑る。
「あああああああ!」
「うああああああ!」
そして遂に・・・2つの悲鳴と共にイカダは滝壺へと落ちた。
痛みを感じた。
封印が解かれたニルヴァーナへと向かうブレインは、自分の顔の右側に手をやる。
「バ・・・バカな・・・エンジェルまでが・・・」
スー・・・と、顔のラインが1本消える。
「うぬらの死、無駄にはせんぞ」
フッと完全に消えたライン。
ブレインは天へと伸びる黒い光の柱を見上げた。
「光崩しは直に始まるのだ!」
その頃、星霊合戦が行われた川では―――
「死んでないゾ」
プカー・・・と、エンジェルが川に浮かんでいた。
樹海に緋色が揺れる。
ブレイン同様に黒い光の柱へと向かうエルザは、真剣な表情で前を見据えていた。
(ジェラールが生きて・・・)
ウェンディに解毒してもらって意識を取り戻してすぐ、ナツがジェラールの名を口にした。
あの光にジェラールはいる、と。
だからエルザは誰にも告げずに行動したのだ。
(どうやって・・・いや・・・なぜこんな所に・・・)
彼女の脳裏に様々な光景が浮かぶ。
楽園の塔で邪悪な笑みを浮かべるジェラール。奴隷時代の優しくて勇敢なジェラール・・・。
友であり、仲間であり、敵である存在が生きている・・・エルザは複雑な表情を浮かべ
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