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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第296話】
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ほほんさんは弁当を掲げているため丸見えに――鷹月さんも、それに苦笑しながら――。


「ヒルト君、良かったらお弁当食べてくれるかな? ほ、ほら……この間のお礼にって思って……」


 はにかむような笑顔を見せ、弁当を手渡す鷹月さん。


「えへへ〜。 のほほんさんもちょぉちょぉちょぉ早起きして、お姉ちゃんに手伝ってもらったんだよぉ〜」


 そう言ってのほほんさんも掲げていた弁当を手渡してくる――これで弁当六つ……。


「……お兄ちゃん、モテモテだね〜」

「……ヒルト。 気のせいかな? もしかしてライバル増えてる?」


 二人してジト目で俺を見てくると――。


「べ、別に俺はそんなつもりじゃないって! ひ、ヒルトには日頃世話になってるからな、なあ玲?」

「おー? 確かに世話になったー」


 慌てた様子で否定する理央に、マイペースを貫く玲。


「わ、私はヒルト君にはいつも重たいものを持ってもらってるし……」

「ひーくんにはこの前ケーキをもらったからそのお返し〜」


 手を前で組み、指を弄ぶ鷹月さん。

 のほほんさんは、万歳しながら咲き誇る様な笑顔を見せていた――と。


「ヒルトさん、まだ教室にいらしたのですわね?」

「ふふん。 まだ教室に居るなんて殊勝な心構えじゃない?」

「あはは……。 で、でもここに居たなら無駄にならなくて済んだね、ラウラ?」

「うむ。 せっかく早起きして作ったのだ。 無駄にされては堪らん」


 ――と、別の教室で受けていた代表候補生の四人がやって来た。

 それも、まさかの全員が弁当箱手渡し――合計十個の弁当……。


「……随分とヒルトさんの机にはお弁当箱が並んでらっしゃいますが……」

「わぁっ……凄い数だね……」

「……何故こうも弁当があるのだ、ヒルト?」

「……もしかして、これあんたたちが?」


 鈴音の指摘に、一様に頷く美冬たち六人――と、教室内に響き渡る声。


「お邪魔します」


 声の主は楯無さんで、その手には何やら重箱五段の様な包みに更には上に焼きそばパンが乗っていた。


「たまには私も教室で食べようと思ってね♪ ヒルト君、織斑君の姿が見えないけど――」

「あいつなら篠ノ之にさらわれましたよ」

「そう。 焼きそばパンが無駄になっちゃうかな?」


 言いながら机に重箱を乗せ、周囲一帯にある机を重ね合わせ、その場に居た人数分の椅子をてきぱきと用意した。


「わあ……楯無さん手際良い……」

「うふふ、美冬ちゃんに褒められちゃうとお姉さん、悪い気がしないな♪ 本音ちゃん、包みを開いてくれるかしら?」

「はー
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