聖遺物のための愚行
第三話
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出来ず後ろに飛ばされた。
「グハッ!」
体のいたるところが痛い。
「シズク?キハラ。どうやら目撃者のようです。」
私もオイスタッハ師匠と同じところに目を向けた。
そこには姫柊雪菜がたっていた。
「くっ!今日は本当についてないよ。」
まさか獅子王期間の人に見られるなんて。
でもあなたではオイスタッハ師匠には敵わない。
「姫柊雪菜。ここから離れなさい。」
私は後にいる彼女に告げた。
普通ならば離れていくのだが彼女は違った。
「あなたを庇いながら戦うことはできないの。お願いだから離れて。」
「いいえ離れません。」
こんなときだけ正義感が強すぎるのがいらっとくる。
「それにボロボロのあなたをおいて逃げるほど冷酷な人間ではないので。」
「あなたが持つシュネーヴァルツァーでは勝てない相手なのです。早くここから離れなさい。」
「ほう。」
反応したのはオイスタッハ師匠でした。
私はシュネーヴァルツァーの名前を出したにが間違いだと今さら気付きました。
「早く。逃げて。」
私は立ち上がってもう一度オイスタッハ師匠に向かって行った。
持っている二本の神剣を握り直した。
しかし結果はただ私が無駄に突撃しただけ。
オイスタッハ師匠に傷を与えることはできなかった。
「ほう。シュネーヴァルツァーですか。獅子王機関の秘奥兵器。よもやこのような場で目にする機会があろうとは!」
戦わせる気はなかったのに。
「いいでしょう。獅子王機関の剣巫ならば相手にとって不足なし。娘よ、ロタリンギア殲教師、ルドールフ・オイスタッハが手合わせ願います。愚かな我が弟子を救ってみなさい。」
「ロタリンギアの殲教師!?なぜ西欧教会の祓魔師が吸血鬼狩りをー!?」
戦わせるわけないじゃん。
「オイスタッハ師匠。戦わせる訳にはいかないのですよ。」
私はもう一度。
本当にもう一度。
オイスタッハ師匠に向かっていった。
「邪魔をするな!」
私はオイスタッハ師匠に怒鳴られて足が固まってしまった。
「大人しくそこで見ていなさい。」
「はい。師匠。」
私はいつの間にかオイスタッハ師匠の言うことを聞いてしまっていました。
もちろんこれではいけないことも分かっていました。
でも体は言うことを聞かずに動くことさえできなかったのです。
そして私はただ姫柊雪菜とオイスタッハ師匠の戦いを見ていることしか出来ませんでした。
そして彼女が危機に晒されても動くことが出来ませんでした。
「姫柊ィーーーーーーーーー!」
何処からともなく彼女を呼ぶ声が聞こえました。
それは私が観察すべき対象であり、彼女にとっては監視の対象。
第四真祖、暁古城が現れたのです。
「おおおぉぉぉぉーーーーーーー。」
さすが第四真祖。
パンチ一発であの眷獣を消すなんて。
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