陽だまりのダークナイト
知らない天井
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でると、小猫と言う少女は嬉しそうにしていた。
僕は彼女たちが身に纏う異質なオーラを感じ取り、彼女たちが人間ではないことを把握する。
このオーラは研究所の実験でも感じたことがある。悪魔だ。
僕は手に、一振りの魔剣を作り出す。
使用者がイメージした魔剣を創造できる神器、魔剣創造の力。
想像した魔剣はオリジナルの魔剣には強度も切れ味も及ばないが、それでも異形を殺傷するだけの力は既に持っている。
作り出した魔剣の切っ先を紅髪の少女に向け、僕は問うた。
「ここはどこだ。何故、僕はこんなところにいる。お前たちは、誰だ」
僕の行動に紅髪の少女は苦笑した。僕の態度に怒ることすらしなかった。
「ここは日本よ。わかる?極東の島国。世界でも有数の平和なところよ。あなたが日本人に近い顔立ちをしていたから、ここに連れてきたの。ここは日本での私の仮住まいよ」
日本?わからない。何故ヨーロッパの森の中で倒れた僕が日本にいる?
日本と言えば僕の前世の生まれ育った国だが、何か関係があるのだろうか?
紅髪の少女と黒髪の少女はお互いに頷き合うと、背中から蝙蝠を思わせる黒い翼を出現させた。
悪魔の翼だ。
紅髪の少女は悪魔らしくない優しげな表情で述べた。
「私はリアス・グレモリー。上級悪魔グレモリー家の次期当主よ。そしてあなたも―――」
リアスと名乗った少女が指先を僕の背後に向ける。
すると、自身の背中から何かが飛び出す感覚を得た。首を向けると、そこには漆黒の翼が生えていた。
「あなたはね、一度死んだの。だから、私が悪魔として転生させたのよ」
……呆然として、彼女の言葉をしっかりと理解できたのは、それから数分後のことだった。
―○●○―
「…………………………」
「……私は何もしないわよ」
部屋で対峙する僕とリアス・グレモリー。あれから僕は強い警戒心を抱いて彼女達とこの部屋で過ごした。
ここは日本のとある町にあるマンションらしい。
さすがに目が覚めた時のようにリアス・グレモリーに刃を向けるようなことはしないが、それでも強い警戒心を持ち距離を作って接していた。
当然のことだ。僕はあの研究所で悪魔は信徒の敵だと教え込まれたのだから。いくら研究者達に、神に裏切られたからと言って、一度教え込まれたものはそう簡単に拭えるものじゃない。
彼女は僕に親しげに優しく接してくれた。だが、僕は教会によって教え込まれた知識と前世の記憶の悪魔に対するイメージによって疑心を強めて行った。
悪魔は人間を惑わし、転生させると教えられた。悪魔は契約を行い、願いを叶えることで人間の魂を奪うと記憶にあった。
だからこそ、僕は彼女が裏に黒いものを抱えて僕に
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