第一章 〜囚われの少女〜
死刑執行人
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る。
かろうじて覗いているような銀の髪と瞳、隠れた口元は微動だにしない。
まるで人形でもあるかのように、精巧な顔立ちの瞳は虚ろで、常に闇を携えていた。
そこへ、男がもう一人。
「どうやら、今日の処刑は君が適任のようだね」
いやらしげな笑みを浮かべ、何処からか気配もなく現れた。
「“彼女”の命は君に任せたよ。ハロルド・ウィン」
その言葉を受け、ハロルドとよばれた男は胸に手を当てお辞儀をした。
「了解。影の賢者≪ワイズマン≫。仰せのままに」
その表情は、未来永劫溶けることのない氷のように、微塵も動かなかった。
音楽隊がファンファーレを奏で、民に不吉な時刻を知らせた。
断頭台に響くのは、悲痛な叫び声。
「うわああああ! いやだ! 死ぬのはいやだああああ!」
そしてその首は切り落とされた。残された体はだらりと地に堕ち、抵抗をやめる。
木の床にごろりと転がる首。その目は目玉が飛び出す程に見開いており、口は何かを訴えるかのように動いているが、暫くすると薄ら笑みを浮かべながら動くのをやめた。
−第十八幕へ−
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