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魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
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volume-3 Fate Testarossa-Harlaown
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間。実質、無期限の長期休暇だ。勿論反対した。もっとなのはたちと一緒にいたいし、たくさんの人の役に立ちたい。でも、許してはくれなかった。渋々、従う。頭では納得していたけど、心は納得していないっていうのが一番あてはまると思う。


 心ここに在らずといった状態は今だってそう。今も授業中なのに窓の外ばかり見ている。私の席は窓際の一番後ろの席なんだけど、ちょっとするといつも窓の外を見ているみたい。自分では自覚がないから分からなかったんだけどね。いつもある人のことばかり考えている。


 三桜、燐夜。プロジェクトFから作り出されたクローン。それが私なんだけど、燐夜は私を私として見てくれた。それはなのはだって同じだったんだけど、一番最初にできた友達だった。
 私の実の母親、プレシア・テスタロッサは私に娘であるアリシア・テスタロッサを重ねていた。でも私はアリシアと違っていたから優しくしてもらえなかったんだ。私をアリシアとして見ていた。……私はそれがつらかったんだ。つらかったから、母さんに自分を見てほしくて何でも言われた通りにしてた。そうすると母さんは私を私として見てくれたから。


「――――――――」


 でも、燐夜は違ったんだ。最初の出会いは恥ずかしいものになっちゃったけど、私を私として見ていた。私をクローンだと知っても私だって言ってくれた。そ、その……可愛い女の子だって言ってくれたの。それがとても嬉しかった。嬉しかったから時間のあったときはいつも一緒にいたと思う。なのは、知ってた? あの時の燐夜の家、私が住んでいたところの隣だったんだよ? 知らなかったでしょ。


 それでね、いつも夜ご飯を一緒に食べて、たまに朝ごはんも一緒に食べて、時々、一緒に寝た。そうして燐夜と過ごしているうちにとても温かいものを胸の奥底に感じたの。でもその正体を知ることは出来なかった。私も分からなかったし、アルフも知らなかった。


「―――トーさ――。フェ―――ん」


 でも、その燐夜も突然いなくなった。リインフォースを救うために勝手な行動をして、どうせ私たちに迷惑をかけない様にって思ったのか多重転移魔法で逃げて。手紙を残していたのは嬉しかったけど、どうせなら面と向かっていってほしかったな。


 それからいろいろあって、とっても慌しくて目の前のことに精一杯だった。燐夜のことを考えていられないほどに。ようやく五年生になって余裕が出来てきてふと燐夜のことを考えちゃう。今どこにいるんだろうとか。元気なのかなとか。私のこと覚えているかなとか。
 もし私のこと忘れてたらどうしようって一番考えちゃう。もしそうだったら私はもう立ち直れないのかなって思っちゃう。それほどまでに燐夜が私の中で大きな存在だった。考えることは、燐夜に会いたい。ただそれだけ。
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