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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第295話】
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 同時刻、場所は高級マンションの一室――。


「あら。 カーマイン、お帰り」

「あぎゃ。 スコールが出迎えとは珍しいな……。 ……IS装備開発企業『御劔』の巻紙礼子と接触してきたぜ」

「ご苦労様。 ……首尾は上々って所かしら?」


 出迎えたスコールは、カーマインから手渡された物を受け取ると――。


「……本人は謝礼金をもらってさぞ満足そうだったぜ。 ……あぎゃぎゃ、あの会社の給料に不満があったらしいからな」

「……巻紙礼子本人はどうなったのかしら?」


 腕を組み、壁にもたれ掛かるスコールは、カーマインを一瞥すると――。


「あぎゃ。 学園祭当日にはフィリピンに発つって言ってたぜ……。 まあ、その後の事は俺様の部下に任せな。 立派な性奴隷として調教してやるから――あぎゃぎゃぎゃぎゃッ!」


 そんな邪悪な笑い声がリビングに響き渡る――と。


「……巻紙礼子の処遇は貴方に任せたわ。 ……さて、問題は誰が彼女に成り済ますか……」


 軽く悩む素振りを見せるも、既にカーマインには不安要素しかないオータムの事が頭に浮かんだ。

 当日のスコールは所用で参加は出来ず、エムでは逆に『目立ちすぎる』。

 かといってカーマイン自身が女装は有り得ないとなれば、今動ける中での適任は必然的にオータム一択となる。



「……オータムしかいねぇじゃねぇか」

「……そうね。 今回はオータムに任せるしか無いわね」


 そんな不敵な笑みを浮かべるスコールに、内心毒吐くカーマイン。


「けっ……。 ……まあいいさ。 当日は俺様とエムがバックアップに入るしな。 ……それよりもだスコール」

「あら? ……もう溜まったのかしら?」


 そう言ってカーマインに近づき、彼の下腹部をそっとなぞる様な手付きで――だが。


「……悪いがそっちはまた今度だ。 ……今回の作戦目的、第一目標が『白式』なのは何故だ? ……俺様なら篠ノ之束フルオーダーの『紅椿』、それか……ナイト財団の技術と有坂真理亜の技術が合わさった『村雲・弐式』を優先するんだがな……」

「……紅椿に関してはあれを狙うのは得策じゃないからよ。 ……篠ノ之束に今はまだ接触するのには早い……それに、何れ彼女には協力していただかないと……」

「ふん……。 ……なら村雲を狙わねぇ理由は?」

「あれに関しては、有坂真理亜自身を拉致すれば問題は解決されるわ。 ……分子結合殻の構造式、前の三人の博士が亡くなった以上自力でその構造式に辿り着いた彼女から聞き出せば良いのだから……」


 静かに告げるスコールに対して、怪訝そうな表情を浮かべながら――。


「……事はそう簡単には運ばねぇ。 
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