暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルの終わり方
九幕 湖畔のコントラスト
8幕
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めていく。

「だから知っていた、と言った。フェイリオはイレギュラーだと。〈ルドガー(おまえ)〉は〈フェイリオ〉と出会わなかったから」
「そんな理由で……?」

 ルドガーはハンマーの鎚側を地面に突き刺し、それを支えに立ち上がった。まだ無茶だ、とジュードに諭されたが聞き入れられない。

(俺たちだってフェイを見つけたのは偶然だ。出会える確率は低かった。でも、確かにフェイはヘリオボーグで10年も暮らしたんだ。何か運命が違えば会えてたかもしれないんだ! それをそんな短絡的な理由で「いるはずない」なんて決めつけるなんて!)

 他ならぬフェイのために、あの男にはルドガーが一発叩き入れねば気がすまない。

 ジュードはルドガーの意思を察したのか、苦笑し、背中合わせの形でルドガーの支えになった。

「悪い、ジュード。また付き合わせる」
「もう慣れた。それに、他でもない君とフェイのことだし」

 ルドガーはハンマー、ジュードはグローブを着けた拳を構えた。共鳴技を発動しようと――


「みんなやめてぇ!!」

 幼い少女の叫びに、場の全員が等しく臨戦態勢を解いた。
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