二十五 決着
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位も名誉も何もかも失った。だからせめて一矢報いようと力を追い求めた。化け物になって、自身の道を阻む邪魔者を排除しようとした。
けれどそれすら無駄に終わった今、己の身を蝕むのはただひたすらの無力感。
これが『絶望』というものだろうか。だとしたら、ああ、なんて空っぽで虚しいのだろうか。
死ぬ間際になってようやく理解する。一生涯かけたあの計画は、所詮砂上の楼閣だったのだ。
どれだけ掬おうとしても手から滑り落ちる。幼き頃白い砂浜で積み上げた、砂の城が風にさらわれるように。
(あのガキに会ったのが運の尽き、か…)
脳裏に焼きつく金の髪。ナルトの姿を心に思い浮かべる。
自嘲気味な笑みを口元に湛え、神農は瞳を閉じた。
だが目を閉じる瞬間、見えたのは零尾の口ではなくナルトの背中だった。
「―――ならその手綱、俺が貰い受ける」
間近で彼の決然とした声がした。
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