第八十九話 六人目への介入その十二
[8]前話 [2]次話
「ですからご注意を」
「そうですか」
「彼の強大であるケルベロスと比べても」
「強いですか」
「少しですが」
「ケルベロスですか」
ケルベロスのことからだ、上城は目を顰めさせて言った。
「あの怪物はかなり強かったですが」
「そのケルベロスよりもです」
「ラドンは強いですか」
「少しですが」
またこう言った聡美だった。
「ケルベロスより強いです」
「ですか」
「ですから闘う時はご用心を」
「ですが闘って勝てばですね」
「はい、その力を得られます」
ラドンのその圧倒的な力をだというのだ。
「必ず」
「そうですよね、それでこれまで僕が倒してきた怪物達の力も」
「全て貴方に備わっています」
無論ケルベロスの力もだ。
「あらゆる力が、ですから」
「気をつけないといけないにしても」
「既に今の上城さんはラドン以上の力を備えられています」
そうだというのだ。
「ですからお気をつけて油断されなければ」
「勝てますね、ラドンにも」
「そうです、ただそれは」
「他の剣士の人達もですね」
「剣士が何故強く倒すと絶大な力を得られるかといいますと」
聡美は上城にその話もした。
「それはその剣士が倒してきた怪物の力が全て蓄えられえいるからです」
「その剣士にですね」
「そうです」
それ故にだというのだ。
「剣士は強く倒して得られるものも大きいのです」
「そうなんですか」
「この戦いは戦い勝てばそれだけです」
「強くなっていきますね」
「仏教で言う修羅界の様なものです」
それに近いというのだ。
「この世界は」
「そうですか」
「そうです、ですから他の剣士の人達も」
強いというのだ、戦っているからこそ。
「ですからこれから剣士の人達と闘う時は」
「怪物と闘う時よりもですね」
「頑張って下さい」
「わかりました」
確かな顔で頷く上城だった、聡美はその彼に微笑んで述べた。
「貴方ならきっと戦いを終わらせられます」
「僕ならですか」
「そのお心で今より強くなれば」
そうなってだというのだ。
「それが出来ます」
「では」
「はい、頑張って下さい」
こう言ってだった、聡美は上城と樹里に顔で会釈をして今はその前を後にした。剣士達との戦いは戦う者が少なくなっていても激しいままだった。
第八十九話 完
2013・11・19
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ