第五十六話 クライマックスその五
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「本番ははじめてよ」
「勇気ありますね」
「そうしたことをされるなんて」
「高見先輩凄いですよ」
「それでもですか」
「やるからには成功させるわ」
このことは絶対にというのだ。
「そのつもりでステージに出るから」
「潤ちゃん本番に強いからね」
宇野先輩は高見先輩に目を向けて微笑んでその仇名で呼んでみせた。
「いけるわよ」
「絶対にやるつもりでやるから」
これが高見先輩の返事だった。
「やるわよ」
「私もね」
「チャレンジなんですね」
「チャレンジ精神を忘れるなってね」
高見先輩は琴乃にこうも返した。
「そういうことよ」
「チェレンジですか」
「どんなことも」
「特に音楽、部活はね」
このことについてはというのだ。
「チャレンジよ」
「チャレンジをして失敗したら」
里香が心配そうな顔でチャレンジのことでこう言った。
「怒られません?」
「失敗した時に?」
「先生や部長さんに」
「うちの顧問の先生でそうした人いないわよ」
チャレンジをして失敗してそのことについて怒る様な先生はいないというのだ、軽音楽部の顧問の先生で。
「よくやったって言ってくれる先生はいるけれど」
「そうですか」
「勿論部長もだし」
彼女もだというのだ。
「あの娘自身いつもチャレンジしてるでしょ」
「そういえば部長さんって」
「そうよね」
プラネッツの五人は部長のことでお互いに話した。
「いつも新しいことされようっていうし」
「失敗を恐れないって仰ってるし」
「それを見てたら」
「部長さんも」
「あの娘は当たって砕けろよ」
そして一瞬でくっつけだ、部長の信条は。
「だからね」
「チャレンジがお好きなんですね」
「そういう人なんですね」
「挑戦してそこで失敗してもよし」
高見先輩は部長について話していく、自分と同学年でその時からの付き合いなのでタメ口で話していく。
「一度こけてもすぐに起き上がる」
「部長さんタフですからね」
「そうしたこともですね」
「そうなの、失敗は成功の母」
よく言われる言葉である。
「それが大事だって言ってるから」
「私達が失敗してもですか」
「いいんですね」
「うちの学園自体がそうよ」
チャレンジで失敗してもいいというのだ。
「元々海軍と関係が深かったし」
「帝国海軍ってね」
高見先輩とバトンタッチする形でだ、宇野先輩が五人に話す。どうやら江田島がある広島出身なので海軍のことには詳しいらしい。
「兵器はいつも実験的要素を入れてたから」
「いつもですか」
「その兵器に」
「陸軍もそんなところがあったみたいだけれど」
海軍は特にそうだったというのだ。
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