第08話 挑戦!カリン塔
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ば、丸い地平線が見える。こう見ると、本当に地球は丸いんだなぁと見当違いな感想が頭に浮かんできたが、今はそれよりも登ろうと、手足を動かした。
日が落ちて、暗くなり始める。しまったなとナシゴは思った。夜になれば、筋肉が冷えてしまう。時間をずらしてスタートを朝の時間にしておけばよかったと、いまさらに後悔する。
原作の悟空は、夜は塔にへばりつきながら睡眠を取っていたがナシゴには、そんな器用な事はできないので、そのまま登り続けた。
本格的に寒くなってきた。今のナシゴの格好は、かなり使い込まれた道着しか着込んでおらず、服の隙間から冷気が入り込み、身体が冷える。さらに、流した汗で筋肉が、冷えてしまう。ナシゴは、ペースを上げることで筋肉を冷やさないように対策した。
朝が来た、徹夜はお手のものだが、夜通し塔を登りながらという条件がつくとかなりつらいものがあった。
「見えた!」
ナシゴは、とうとうカリン塔の頂点を目にした。大きな円になっていて底に4つの穴が空いている建物だ。
ナシゴは、やっとの思いでカリン塔の頂点へと到着した。まだまだ、体力は残して登り切ったナシゴは、少しだけ休憩して息を整えると上へと続く階段を歩いた。
「大したものじゃ。よう、登ってきたのう」
右手に杖をつき、ニッコリと笑う顔を崩さずに言うカリン様が出迎えてくれた。
「はじめまして、カリン様。私、ナシゴという者です。カリン様に修行を付けていただきたく、カリン塔を訪ねました」
ナシゴは、現れたカリン様に向かって礼をしてから、お願いを言った。
「ふむふむ、礼儀正しいやつじゃ。それに、不思議な奴じゃのう」
カリンは、ナシゴの心を探り不思議な記憶を読み取った。ナシゴの生前の記憶、田中竜二としての記憶、ドラゴンボールという漫画。そこに登場する、カリン様という自分という存在。
「いいじゃろう、せっかくカリン塔を登ってきたのじゃ、鍛えてやろう。といっても、お主かなりの力と技術を持っておるから、後はそれを繰り返し伸ばすしのがいいじゃろうが。まずは、組み手といこうかのう」
カリンとナシゴは、組み手を開始した。ナシゴにとって久しぶりの強者との手合わせに心躍った。また、カリンも久しぶりの自分の能力に迫る力の持ち主との手合わせに、ナシゴと同じような気持ちになった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ