DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十六話
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がある。スピードがある。《神話剣》には、《二刀流》を超える連撃数のソードスキルが用意されていた。それは、このスキルが『押し切る戦法』を重視したスキルだからだ。《二刀流》や《舞刀》は、ヒット&アウェイを信条とするスキルだ。《二刀流》は、高威力・高速連撃のスキルを撃って、回避したのちにさらに攻撃を続ける。《舞刀》は、一撃一撃の攻撃力が低い代わりに、スキルディレイの短さや行動スピードは随一だ。
《神話剣》は、《二刀流》や《舞刀》の様に回避することを前提としていない。斬って斬って斬りまくる。回避は無視する。実はそんなスキルなのだ。まるで、かつて神話の時代、荒ぶる武神と言われた、大蛇殺しの英雄の様に。
すべてのユニークスキルホルダーを、同レベルにして比べた場合、実は最も攻撃力が高いのはセモンだ。最強だったのはシャノンの《帝王剣》の双巨剣の攻撃力だが、実はあの超攻撃力の半分ほどはシャノン自身の化け物のように高いレベルに依存しているきらいがある。
細かい判断はできない。複雑な戦略も練れない。技術は無い。センスも無い。代わりに、攻撃力がある。脳みそ筋肉だな、とつくづく思うが、それでも、戦局は変えられる。
すなわち――――
「押し切るッ!!」
その時、ガシャリ、と何かがはまった音がした……気がした。セモンは導かれるように、刀を肩に構える。片手剣用ソードスキル、《ヴォーパル・ストライク》のモーション。刀スキルではないので、使うことはできない。しかし……果たして、セモンの刀は、あの鮮血色のエフェクトライトを纏った。ギュォォォォ、と、ジェットエンジンめいたサウンドが響く。
打ち出す。
「貫けぇ――――ッ!!」
《奪命撃》が放たれる。本来ならばこの技の射程距離は、刀身の二倍程度。しかし、今、セモンの放った《ヴォーパル・ストライク》は、さらにその二倍ほどのスピードと射程距離を有していた。
「……!?」
ハクアの顔に走る驚愕。
それを見て、してやったり、とセモンが心の中で呟くと同時に、彼の意識の糸は切れた。
***
「……最後の攻撃は、素晴らしかったですね」
精神を使い果たして気を失った、刀使いの少年を眺めて、ハクアは呟く。隣でコクトが頷く気配。
「土・光複合属性による、《効果の再編成》ですか……切って嗣ぐ、とはどう違うのでしょうか。成長が楽しみですね」
《コニラヤ》のリムを撫で、お疲れ様でした、と呟く。同時に、その姿が消える。普段ハクアが武器などを置いている異空間、いわば《アイテムストレージ》たる、本来の居場所へと戻って行ったのだ。
そろそろ部屋の片づけも終わっただろうか。ハクアは、コクトにセモンを任せ
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