SAO編
序章 はじまりの街にて
8.特訓開始、その前に
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えるは緩い山脈や深い森林。
更に遠くには一層と二層に挟まれた青空が見えた。
どこか新鮮さを感じる冷たい風に乗って飛んでいく草の葉や花びらが、頬をかすめる。
あの森の先には何があるのだろうか、あの山の先には何かがあるのではないか、あの空の先へ行ってみたい。そう思わせるような光景だった。
そんな光景に魂が抜けかかっている三人に俺は声をかけた。
「……では、特訓を開始するぞ」
「ほえ?」
「あ、は、はいッス!」
「……お、お願いしますっ」
俺は三人の前に立って、これからすることをもう一度改めて説明した。
「……という訳で、お前たちには一人ずつイノシシと戦ってもらう。……三人とも、自分の武器を持て」
その言葉で初期装備の《スモールソード》を各々装備する三人。俺も今回は三人と同じようにスモールソードを装備した。
片手で何回か振って感触を確かめてから、俺は三人に向いて言った。
「……とりあえず、準備運動がてらその場で素振りをしてみてくれ」
「す、素振り……ですか?」
肩透かしを食らったような顔をする三人。しかし、これを欠かすことは出来ない。
「そうだ。昨日、俺はお前たちの戦いを少し見た。ルネリーはまだマシな方だったが、それでも三人とも武器の扱いが下手過ぎる」
「うっ……」
「耳が痛いッスねぇ……」
「……あぅ」
三人は昨日の自分を思い出しているのか、各々微妙な顔をしながら素振りを始めた。
プレイヤーが初期装備として持っている《スモールソード》は、一番最初の武器だけあってレベル1の身体能力でも軽々に振れる。
しかし、それでも武器ではあるので重さはちゃんとある。心得の無いものが振れば剣の重みと勢いで体が前につんのめってしまうだろう。
武器を振るときに大事なのは《踏み込み》だ。踏み込みは相手に近づくだけではなく、武器を振ることによって生まれる勢いを止めてくれる支えでもある。
踏み込みの仕方や重心の位置を変えることによって、次の攻撃へ繋ぐことも、逆に攻撃をしてからすぐに相手から距離をとることも容易となる。
そのことを三人に説明しつつ、俺は素振りの仕方と踏み込みの種類をいくつか教えた。
その後、一時間ほどで三人の動きは見違えるほど良くなった。
ルネリーやチマは元々運動神経が良い方らしく、俺の言ったことは手本を見せればすぐに吸収していった。
現実では運動が苦手だというレイアは最初は苦労していたようだったが、二人とは逆に論理的な指導をしてやれば、頭の良いレイアはすぐに理解して、動きも良くなっていった。
つい忘れそうになるが、このSAOの世界では最初は誰もがレベル1で、同じ身体能力を持っているのだ。
俺も、ルネリーも、チマも、そしてレ
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