暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
8.特訓開始、その前に
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 もう少し回復ポーションを買っておこうか迷ったが、止めておいた。
 何事も適度に、だ。買った分以上の回復ポーションを使うことになる状況は避けるべきだ。
 命が懸かっている状況なのだ。準備を十二分にすることも大事だが、余計な危険を回避させることを第一と考えよう。

「……三人とも、買うものは買った。……行くぞ」

 俺は未だ珍しい商品に釘付けになっている三人に声をかけて雑貨屋を出た。

「え、あ、はいっ」
「ま、待って下さいッス!」

 三人は慌てて俺を追いかけてきていた。いつの間にかこの構図が定着してきている気がする。





 そうして俺たちは、ここから一番近い外への門、北西ゲートに向かっていた。

「あ、あの〜。ほ、ほんとに一人で倒すんスか? むしろ倒せるんスか?」

 俺の顔を覗き込むようにチマが訊いてきた。

「……問題ない。煙突亭でも言ったが、昨日は時間も時間だったから周囲が暗く、そのせいもあって初めて見たモンスターに強く萎縮してしまったのだろう。今日はまだ九時にもなっていないが、すでに辺りは十分に明るい。今度は相手をよく見ることが出来る。……それに、もし危なくなったとしたら俺がすぐに助けに入る」
「キリュウさん……」

 そう。俺が三人に最初に行おうと思ったのは、モンスターと対峙することに慣れさせるということだ。
 昨日の件で、恐らく三人ともモンスターに対して苦手意識が植え付けられているだろう。
 しかし、この先に進むのだとしたら、それは最初に排除しておかなければならないものだ。
 冷静に対処すれば、あの程度のモンスターなら怖いことは無い。まずはそれを知ってもらう。
 死の危険に対する《恐れ》というのは確かに大切な感情でもある。これがあればこそ、人は危険を回避することが出来る。
 しかし、《怯え》はいけない。それは緊張をもたらし、緊張は体を強張らせて動きを妨げる。
この《恐れ》と《怯え》のさじ加減が難しいところだが、しばらくは俺自身が三人を見守ることで調和をとるとしよう。
 五分ほど歩いて見えてきた巨大なゲートを潜り、俺たちは街の外へと出た。



「わぁ――っ!」
「すっっっごいッスね〜」
「うん、夜のときとは別の場所みたいだね……」

 三人は、明るい街を外を改めて見て感嘆していた。かく言う俺もちゃんと見るのは初めてなのだが。
 昨日は暗くてよく見えなかったが、日の光に照らされたこの風景は確かに思わず感嘆してしまうほどだった。
 ゲートから太く伸びている一本の土色の街道。その街道は段差のある丘のせいか、数百メートル先からはぐねぐねと曲がっているように見える。
 そして、その街道の両脇には、はじまりの町をぐるっと囲うようにある広大な草原。草原の向こうに見
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