SAO編
序章 はじまりの街にて
7.二人の決意
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ください」という発言について考える。
俺は最初、俺よりもこの三人の助けになるのに相応しい者がいるだろうと思い、三人を拒絶した。
しかし、この三人は他の者に助けを求めるどころか、自分たちだけで戦おうとして窮地に陥った。
それを見つけた俺は、最初に拒絶したにも関わらずに助けた。
そして、己の行動の矛盾を嫌った俺は、三人に一つの問いをすることで最初からやり直そうとした。
――お前たちは、これからどうしたいのか?
ここで三人が戦うことを諦める、もしくはまた自分たちだけで頑張ると言えば、俺は今夜にでも三人の目の前から消えるつもりだった。
しかしレイアが、この子たち言ったのは――戦うことは諦めない。だけど自分たちだけでは無理だと解ったから、俺に戦い方を教えて欲しい。ということだった。
言葉だけを見れば、なんとも都合の良い言い方だろう。
自分たちの面倒を見てくれと言っているようなものなのだから。
だが――レイアの、ルネリーの、そしてチマの顔を見ながら聞けば、そんな思いは一切しなかった。
それに、俺はもう決めていた。
もし、もしもこの三人がもう一度俺に助けを求めたのだとしたら――今度は受け入れようと。
俺は人と話すのが苦手なだけで、別に人自体が苦手なわけではない。
助けを求められれば、頼られているようで素直に嬉しいし、ちゃんと助けたいとも思う。
最初に断ったのは、あくまで自分よりも相応しい者がいるだろうと思ったからだ。
だけど、もう迷わない。
三人には、俺がゲームを初めてとしている事はすでに言った。SAOの知識は全てマニュアルから得ているんだということも。
それでも、この三人は俺に頼んできた。
俺は、その期待に応えたいと――強く思った。
「…………解った。俺で良ければ……戦い方を教えよう」
その言葉を言うとき、俺は何故か三人の顔をまともに見れず、目を瞑りながら言ってしまった。
しかし、目を瞑っていても、三人の驚いた様子と、その後の嬉しがっている様子は――しっかりと、俺に届いていた。
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